内容説明
手塚治虫の少年時代の思い出をつづった文章を中心にしたエッセイ集です。手塚少年の個性を育んだお母さんの思い出など、親子の関係性が崩れかけている現代の家庭と照らし合わせながら読むと「いま世界のどの部分がゆがんでしまっているのか」が見えてきます。宝塚のステージにしろ、マンガにしろ、映画にしろ、たくさんの文化に直接子どもたちを触れさせる。そういうことから育まれて行く感受性や、視野の広さが、生涯にわたって本当の財産になる。エッセイを読むと、そんな手塚治虫の思いが伝わってきます。また戦時下の学生時代に綴った日記なども、何もかも恵まれていて「ケイタイがない世界なんかじゃ生きられなーい」と言っている現代の中学生たちに「生きているということ」の確かな肌触りを伝えてくれるように思います。エッセイは社会に出てから、そして自らが子の親となってからの日々まで収録されていて、これはもうひとつの「自叙伝」といった趣のエッセイ集となっています。
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