内容説明
刀を捨て照降町の住人たちとまじわるうちに心が通じ合い、次第に町人の顔つきになってきた喜三次。そんな自分に好意を抱いてくれるおゆきに対して憎からず思うものの、過去の心の傷が二の足を踏ませて……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
26
切ない話が多かった。文治の母親もおてるの夫、菊之助も仙三の昔馴染みの作次もどうしてこんなにも相手の事を考えられないのか。。正直者がバカを見る世界が悲しすぎた。それでもそんな傷ついた人々を温かく見守る照降町の人々の心には癒された。喜三次も悲しい過去を背負っているけど、乗り越えて幸せになって欲しい。2021/07/03
千日紅
3
内容(「BOOK」データベースより) 数年前、父の仇討ちをした相手は無情にも親友であり、その妹は想いを寄せる女だった―故郷も身分を捨て辿り着いた照降町で喜三次が出逢う面々。幼い自分を置いて出奔した母を憎みながら、何とか身抜きさせようと画策する文治、不器量を自覚しながらも美丈夫な男と添い続けたいと慕い続けるおてる…心に蟠りを抱えながら、前を向いて日々を必死で生きようとする人間の姿を江戸情緒豊かに描き出す傑作時代小説第二弾! 2020/05/11
sai
3
相手のためにという行いは、必ずしも相手の心に届くとは限らない。通じ合っていても、ひょんなことから行き違ってしまい、取り返しのつかないことになったり、人間の付き合い方って…難しいね2014/09/10
こまt
3
捕物帳ではないので、市井の人々が悲しい思いのまま終わってしまうのもありなんだなと思った。時代小説というと、捕物帳的なものばかり読んでいるので、すっきり解決というパターンが多いけど、世の中っていい人がいい思いをするばかりじゃないよなあと改めて思った。2014/08/23
かずくん
2
照降町自身番書役日第2巻。下っ引の文治が18両集める話が載っている。2021/06/10