内容説明
【第15回司馬遼太郎賞受賞作】正徳元年(1711)、徳川幕府は29年ぶりに朝鮮通信使を迎える運びとなった。対馬藩士、阿比留克人(あびるかつんど)は通信使の警固を務める傍ら、ある極秘任務を請け負う。監察御史の柳成一(ユソンイル)、旅芸人のリョンハンらを含む通信使一行は、対馬上陸から大坂、名古屋を経て江戸へ。道中、柳は克人の行動を不審に思い監視を始めるが……。世界を股にかけて活躍した男たちを描く歴史巨編。
感想・レビュー
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s-kozy
70
これは面白い歴史活劇。時代小説が好きな方にはお勧めです。時は江戸中期、対馬藩は対朝鮮の貿易で潤っていた。主人公は対馬藩士・阿比留克人(あびるかつんど)。徳川幕府は29年ぶりに朝鮮通信使を迎えることになる。克人は通信使の警固を務める傍ら、ある極秘任務も請け負う。つまりスパイで人には言えないことが増えていく。朝鮮側の監察御史の柳成一(ユソンイル)は克人の裏の役割に気づき、彼を追い詰めていく。二人の対決を経て、克人は世間的にも追い詰められてしまう。彼の運命は如何に?の下巻へ!上巻では「韃靼の馬」は出て来ない。2017/09/29
kawa
32
秘かな辻原ファンの通算4冊目はお初の歴史モノ。主人公・対馬藩士・阿比留克人(あびるかつんど)は、朝鮮の倭館に赴任し29年ぶりの朝鮮通信使と幕府の橋渡し役を担うことに。長尺で読みリズムが停滞するところも無くもないが、当時の朝鮮との関係、通信使、対馬藩の対応等が興味深い上に、活劇シーンもそれなりに。読み手を下巻に引っ張る展開」も流石です。2022/11/12
めん
8
朝鮮との外交で藩財政を賄う対馬藩。その藩の中で隠密の任務を担う男と、朝鮮通信使たちとの話で上巻は終了。中々難解なので読むのに時間がかかった。けれどその分重厚な内容。馬、という単語に惹かれて買った作品だけれど、下巻で関係してくるのだろうか。2014/08/25
ネムル
7
いかにも歴史活劇といった雰囲気を醸しつつも、前半は新井白石執政時の江戸幕府・朝鮮・対馬藩を巡るエスピオナージュ小説としての趣きが強い。対馬国に伝えられていたという阿比留文字が暗号文として使われている。『円朝芝居噺』の重要なモチーフとして田鎖式速記が登場したように、辻原登がここでも言語への関心を見せている。2014/08/11
てぃと
6
江戸時代、日本と朝鮮との間にこのような深い外交関係があったとは思いもしませんでした(恥ずかしながら……)。外交での苦悩は今も昔も変わらないようですね。鎖国の時代における外国との遣り取りに興味が尽きません。下巻ではいよいよ韃靼の馬が登場するのでしょうか?下巻が楽しみです。2018/01/30




