文春文庫<br> 白樫の樹の下で

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文春文庫
白樫の樹の下で

  • 著者名:青山文平
  • 価格 ¥611(本体¥556)
  • 文藝春秋(2014/02発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167838911
  • NDC分類:913.6

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内容説明

江戸幕府が開かれて180年たった、天明期、最下級の御家人で小普請組の3人の幼馴染が活躍。当時は竹刀剣法花盛りの中で、彼らはいまだ木刀を使う古風な道場に通っている。ある日、江戸城内で田沼意知を切った刀を手にしたことから物語が動き始める。いまだ人を斬ったことがない貧乏御家人が刀を抜くとき、なにかが起こる……。傑作時代ミステリー。第18回(2011年)松本清張賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

森オサム

42
著者初読み。第18回松本清張賞受賞作です。時代小説は普段全く読まないので、本作が有りがちなのか、異端なのかは分かりません。ただ、余りにも重く、余りにも切なく、本当に悲しいお話でした。予備知識無しに読み始めたので、どんな事が起きるか全然知らなかったのですが、青春小説だったんですね。ミステリー要素も有りますが、エンターテイメントとして面白かったとか、楽しめたとは言えず、息が詰まる様な作品でした。秀作。蛇足ですが、文庫で読まれる方は、巻末解説先に読まない方が良いですよ。作品内容が最後まで全部書いてありますから。2016/04/16

チャーリブ

35
再読。松本清張賞受賞作。青山文平さんの時代小説としてのデビュー作。時代は田沼意次失脚後の天明8年、小普請組御家人の若侍3人は、その貧しさや将来性のない身分に対する鬱屈から逃れるようにひたすら剣の修行に明け暮れています。3人の友情と成長を中心とする青春小説であればいいのですが、3人はそれぞれ時代の閉塞と矛盾の中で苦悩を深め追い詰められていく展開となります。恋の話もありますが、やはり中心は剣で、一振の剣によって人々の人生が狂わされてしまった物語と読むこともできます。主人公の村上登のその後が気になりました。○2023/10/21

とも

35
★★★★歴史ミステリー。江戸中興期の平和な時代に発生する殺人事件と時代の故に真剣を扱ったことのない木刀師範 村上登がどんどんと深入りしていく。すんなりと内容に入っていけ どんどんと読むスピードが上がりのめり込んで行く。最後は度重なるどんでん返しで、ミステリーとしても秀作である。2014/08/04

reo

33
三十俵二人扶持の小普請組の貧しい武士の倅。村上昇、青木昇平、仁志兵輔の三人と蝋燭問屋の次男坊巳乃介たちの青春群像かと思ったが…。あるとき巳乃介から登は名刀”一竿子忠綱”を4両2分の駄賃付きで預かる。その事で筋違いの妬みや嫉みで3人の仲が微妙に変化してくる。それと並行して、探索方が血眼になって探している辻斬りが昇平か兵輔か巳乃介なのか?それとも道場主の佐和山正則かも?などと変に気を回し過ぎて結局誰なのか最後まで分からない。それと何時もながらの女の性根がチラッと垣間見え、文平ちゃんまたやっちゃったネと納得。2017/12/30

ach¡

24
読友さんから藤沢周平ファンにおすすめということで拝読しました。まず色んな意味で驚愕。まるで鉛を飲み込んだような重々しさが胃のあたりに残ります。確かに藤沢氏の筆致を思わす筆の運び、ミステリーとしての読み応えも十分。白樫(しらかし)の樹の下にある道場で、幼い頃から共に歩む青年剣士3人の爽やかな友情物語!?かと思いきや、その後の展開がまさかまさかの…んぁーもうこれ以上は書けません。とにかく色んな要素を一緒くたに楽しめる作品である事は間違いなしです。藤沢氏の作品とは一線を画し、私の中に新たな風を運んでくれました。2015/03/21

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