内容説明
東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故で、経営が悪化した東京電力は、実質的に国有化されました。
金融の専門家が執筆した本書では、金融業界からの視点とともに法律の論理という観点から、東京電力が国有化に到った政治判断とそのプロセスについて批判的に検証しています。
また、事故をきっかけにして電気事業改革の議論を進める大衆迎合的な政治手法、偏った報道の問題点を指摘し、事実と論理と法律に立脚した冷静な議論を行うよう呼びかけています。
(役職名などは書籍発行当時の情報です)
目次
第1章 原子力発電を選択した国民の賭け
第2章 東京電力の賠償責任と政治判断
第3章 東京電力の利害関係者の地位
第4章 東京電力国有化という暴挙
第5章 改めて問い直す法律の正義と社会的公正
第6章 電気事業改革と電気の安定供給
第7章 原子力発電への新たなる賭けをめぐる政治と報道の良識
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Honey
9
地震・津波・原発事故の被害があまりに甚大だったため、ともすれば感情に流されがちな国民感情。それをあおるマスコミや利用する政治家たち…自らを法に詳しいといいながらどうも変な言論…いろいろ気になっていましたが、この本を読んでかなりスッキリしました。時間は待ってくれませんし今更かもしれませんが、”法律の正義と社会的公正”について、やはり一度”冷静に”振り返っておく必要があると強く思いました。2013/05/29
Tomonori Yonezawa
1
【自腹】本棚減量作戦で解体〜スキャンの合間に再読。副題の「法律の正義と社会的公正」がよく似合う内容で、簡潔かつよく整理されて読みやすい本です。今さら読む必要があるとは思いませんが、原子力行政ってものに興味があるなら面白く読めるでしょう。2018/08/19