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内容説明
農場での惨事を経て、一人残された雅彦。「神様」の姿を追い求める彼は、自らの手で己の目を潰した。不自由な生活の中、それでも「神様」に近づいていることを感じる雅彦。妻・加代子の支えを得て、焼き物を生業とし始めてからも、雅彦の「神様」を求める心は治まることがなかった。そして長い時が過ぎ、2011年3月。東北地方を強い地震と大きな津波が襲った――。手塚治虫文化賞に二年連続ノミネートされるなど、高い評価を得た著者の渾身作、堂々の完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mayumi Hoshino
16
気力・体力が足りてる時じゃないととても読めないと、買ってから一年あまり、本棚で寝かしておりました。機が熟した今開いてみれば、想像以上に圧倒され。何かを言うのも憚れるような。初めて手塚先生の「火の鳥」を読んだ時に、これくらい放心状態になったのを思い出します。冷静になるためちょっとお茶をば…2015/04/12
gelatin
14
★★★★ おっ、奇蹟とか概念の話ではなく、意外と論理的に神を認識する話になったのね。人間が神を認識するのは言葉というならそれはまさに、ヨハネによる福音書の第一章第一節であろうよ。震災がなかったらこの漫画もこういう話にはならなかっただろうという確信はある。それにしてもこれ、月刊誌に連載してたというのがすごいな。IKKI廃刊が惜しまれるよ。2015/07/20
∃.狂茶党
10
完結編。 どうしようかってくらいスピ全開。 信仰の内面を描く漫画であり、宗教への勧誘(重要)ではない。 当初の構想では震災は起きなかったはずであるが、その場合物語はどこに向かったのか、大きく変わったのか、大差ないのか。 2022/09/01
くさてる
7
重いテーマに気持ちを引きずられながら読んだ最終巻。すごいとは思うけれど、どうしても入りきれなくてもどかしい。「全部言葉だべよ」。その正しさは分かるけれど、この物語を好きかと問われたら頷けない。あまりに圧倒過ぎて。自分などは小さすぎて。2014/03/02
ころっぷ
7
姿のないものを絵で表現しようとする事は、常人の想像も及ばない難儀な事に違いなく、また筆者の取った表現の手段は類い稀な厚みを持った偉業と言わざるを得ない。科学・技術・情報が発達した現代に於いて、神を見るということはこうも多くを失う必要があり、大きな代償を払うものなのか。長いキャリアの集大成に、どうしてもやらなければならいと覚悟を持って挑んだテーマに、見事に結果を残した筆者の執念に賛辞を送りたい。2013/11/15




