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内容説明
農場での惨事を経て、一人残された雅彦。「神様」の姿を追い求める彼は、自らの手で己の目を潰した。不自由な生活の中、それでも「神様」に近づいていることを感じる雅彦。妻・加代子の支えを得て、焼き物を生業とし始めてからも、雅彦の「神様」を求める心は治まることがなかった。そして長い時が過ぎ、2011年3月。東北地方を強い地震と大きな津波が襲った――。手塚治虫文化賞に二年連続ノミネートされるなど、高い評価を得た著者の渾身作、堂々の完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mayumi Hoshino
15
気力・体力が足りてる時じゃないととても読めないと、買ってから一年あまり、本棚で寝かしておりました。機が熟した今開いてみれば、想像以上に圧倒され。何かを言うのも憚れるような。初めて手塚先生の「火の鳥」を読んだ時に、これくらい放心状態になったのを思い出します。冷静になるためちょっとお茶をば…2015/04/12
gelatin
13
★★★★ おっ、奇蹟とか概念の話ではなく、意外と論理的に神を認識する話になったのね。人間が神を認識するのは言葉というならそれはまさに、ヨハネによる福音書の第一章第一節であろうよ。震災がなかったらこの漫画もこういう話にはならなかっただろうという確信はある。それにしてもこれ、月刊誌に連載してたというのがすごいな。IKKI廃刊が惜しまれるよ。2015/07/20
∃.狂茶党
8
完結編。 どうしようかってくらいスピ全開。 信仰の内面を描く漫画であり、宗教への勧誘(重要)ではない。 当初の構想では震災は起きなかったはずであるが、その場合物語はどこに向かったのか、大きく変わったのか、大差ないのか。 2022/09/01
きゅうり
7
この世の森羅万象を神様というのでしょうか。言葉にしなけりゃ気が済まないってのは悲しいことなんでしょうか。言葉は(もっと言えば芸術というものは)神様への精一杯の挑戦なんだと思います。この漫画も、この漫画で言う「神様」への精一杯の挑戦というか賛辞なんだろうな。2013/09/23
6(ロク)
6
しかし羣青といいSunnyといいIKKIは定期的に凄い(凄まじい)作品持ってくるなぁ、半端なホラーよりも肌が粟立ついがらしみきおの到達点。人が何故グロテスクな物を忌避するか?ってグロテスクなものに無意識に「死」を見てしまうからであって、この本の背骨の生臭さはまるで抜きたての内臓のように目をそらしたくても凝視してしまうかの人間の生々しさに満ちている、桐野のポリティコンを更に突き詰めたかのような重く熱い作品でした、お有難う存じます。2015/01/23