笑いの花伝書

著者名：滝大作【著】

講談社（2013/08発売）

• ISBN：9784062184199

内容説明

浅草芸人たちの、軽演劇で練られたコント。エンタツ・アチャコの、自由自在に脱線するボケ。コント５５号の、ボケ役に常識人キャラ・坂上次郎を配する役割分担の妙。立川談志の、ルールの裏側を暴いて嘲笑するアフォリズム。林家三平の、地口を駆使したなりふり構わぬボケ倒し。松元ヒロの、天皇までも標的にする果敢なツッコミ。赤塚不二夫の、本音しか存在しない狂気の世界。実例多数収録、笑いを語る基本文献の登場！

目次

１　表現の笑い
２　爆笑、八波むと志
３　ジョークと世迷言
４　ボケの笑いツッコミの笑い
５　非常識の常識
６　ＦＢＩのＧメン
７　喜劇の形式
８　赤塚クレージーワールド
９　元は珍優
１０　由利徹が行く

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[渓流]

笑いのと言う形容詞は不要。これが花伝書で、世阿弥のものを能の花伝書というべきだろう。笑いの哲学と言っていい、前半部分は。後半は、喜劇俳優の人物譚でまあそれなりに楽しめるというところ、でも秀逸な本。随所にひねくれ老人の独白じみた修辞があり、山葵ならぬ苦味にも感じほっとする。

2013/12/05