阿修羅

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阿修羅

  • 著者名:玄侑宗久【著】
  • 価格 ¥691(本体¥629)
  • 講談社(2013/01発売)
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  • ISBN:9784062774154

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内容説明

知彦の妻、実佐子に明らかな異変が現れたのはハワイの旅先であった。夫にもまったく知らない顔を見せる実佐子。急遽旅先に診療にむかった主治医杉本は、ついに解離の症状が本格的に現れたと診断する。自由奔放な知美、落ち着いた情緒の絵里・・・・異なる性格が現れる解離性同一性障害(DID)という、現代を象徴する難しい病理に切り込み、トラウマや記憶の奥から浮かびあがる心の闇に光を当てる意欲作。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Takeshi Kambara

23
解離性同一性障害、所謂多重人格をテーマにした作品。妻の中に阿修羅の如く3人の人格がありそれに対する夫や精神科医とのやり取りで物語が進んでいくのだが扱うテーマが非常に難解だと読めば読む程感じた。多重人格と妄想の境界線は?一般人だって裏と表の顔があるがそれも定着したら二重人格なのか??さらには憑依説まで出てくる。登場人物たち、とりわけ妻の言動はどこまでが誰なのか??深読みすればするほど沼にハマっていく怖さがあり、読後も何と感じれば良いのか非常~に複雑かつ奥行きの感じる作品でしたがとても勉強になりました。2022/01/10

銀の鈴

19
面白かったです。淡々としたストーリーでしたが、あっという間に読み終えていました。よくありがちなホラー小説的なものではなく(といいつつも、それを期待していなかったとはけっして言えないのですが。)、医療者である杉本の物語も重層的に描かれており、そこがこの小説になんともいえないふわっとした深みを与えているようにも思えます。しかし、解離の原因は程度の差はあるけれども、類似した経験をだれもが有しているように思われ、簡単に解離が起こりうるとすれば、怖いと感じました。2014/04/10

きみこ

8
人格とは一体何なんだろうか…。これが本当の自分。と言うモノが私にはあるのだろうか…。読後もテーマについて深く思い悩む。2013/01/29

to boy

7
多重人格を描いた小説なれど、作者の意図は違うところに有るんじゃないかと思った。多重人格の妻をとりまく夫、主治医、その娘、など普通の人々の心に潜む安定した心の虚偽性・・・作られた物語・・・を述べようとしているのか、とも感じられた。多重人格の本としては「ビリーミリガン」「症例A」の方が面白いが、この本のねらいは別の所にあると思う。2013/01/26

coldsurgeon

4
分身譚、自己が多重化する一人の女性を巡る、その夫と精神科医たちの物語。自分の記憶というものが、実にあやふやであり、そして語るときには恣意性に富み、物語になってしまうということが思い知らされる。人格の多重化ということを、阿修羅像に凝らす話は、阿修羅像を、もう一度見たいと思わせる。僧侶である作者ならではの、工夫だろうか。2014/05/03

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