ニサッタ、ニサッタ(上)

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ニサッタ、ニサッタ(上)

  • 著者名:乃南アサ【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2014/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062773904

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内容説明

転職した会社が倒産してしまった片貝耕平は、人材派遣会社に登録したがどの仕事も長続きせず、担当者と喧嘩して辞めてしまう。アパートの更新もできなくなり、一発逆転を夢見てギャンブルにのめりこんで消費者金融の「回収担当」に追われる身となった耕平は、ようやく住み込みの新聞配達の仕事を見つける。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

416
東京の文字通りに片隅に埋もれるように生きる耕平。最初はそれなりに希望もあっただろう。展望というほどのものはなくても、こんな生活が続いていくものだと思っていたはずである。それが瓦解した時に、自分が置かれている東京は耕平にとっていかなる場所だったのだろうか。東京にいれば、斜里はあまりにも遠い。それは物理的な距離以上に彼方の地であるに違いない。この時、彼は故郷をも東京をも共に喪失していたのである。父親との邂逅もまた、彼の過去をも見直させることになっただろう。父親にも母親にも、個としての望みはあったのだ。2021/11/04

yoshida

92
東京で転がる耕平の人生。原因は堪え性の無さか。Fラン大を卒業し就職した会社を2ヶ月で退職。そこからは転職先の破綻、派遣の仕事への不満から定職もなくなり日雇いで食いつなぐ。アパートも更新出来ずネカフェ難民へ。ギャンブルで借金もし、新聞販売店へ住込みで働き始める。ここがギリギリの転機だろう。借金は会社に肩代りして貰い何とか働く耕平。故郷の北海道に戻る事にするが。まあ、自堕落と言ってしまえばそれまで。キャリアや有力な資格が無ければ転職も条件が悪くなる。だから大抵の人は我慢しつつ働いている訳で。下巻の展開に期待。2022/10/16

tengen

70
三流大学は出たものの、上司が気に入らないと会社を辞め、転職先は倒産し、派遣会社に行くも仕事が続かない片貝耕平。挙句にサラ金に手を出し、ネットカフェを渡り歩くまでに落ちてしまう。借金を肩代わりしてくれた新聞販売店に住み込み、ようやく仕事にありつく。毎日コツコツキツイ労働を重ねる中、後輩の竹田杏菜を庇ったことをキッカケに北海道の実家へ帰る決意をする。☆彡現代版あすなろ物語って感じ。2015/05/02

ミエル

63
小さな甘えから仕事を辞め転がり落ちる若者、案外ある話なのかも知れない。おそらく経験がないからだろうけど、著者の筆力で描かれるパチンコ依存、多重債務は何となく月並みで浅いけど読んでるだけでうんざりさせるのはさすが。危機感のなさと見通しの甘さに腹立たしくなる前半から、ようやく人生を立て直す流れは希望が見えていた。理想の生活が叶わず故郷に帰るまでの長い前フリ。結局そうなるよね、何も持てないものは環境変えてリセットするのもひとつの道。では下巻へ。2020/08/02

カーミン

53
令和になって最初の1冊。主人公の耕平、読んでてイラッとくる!大卒で就職した会社を2か月で辞め、再就職先は倒産、派遣社員として働くも長続きせず。挙句の果ては、ギャンブルにのめりこんで消費者金融に終われ……。さらに、耕平の父親やそのほかクズな男性ばかり、次々と登場。このまま下巻に進みます。2019/05/06

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