講談社文庫<br> ニサッタ、ニサッタ(下)

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講談社文庫
ニサッタ、ニサッタ(下)

  • 著者名:乃南アサ【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2012/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784062774048

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内容説明

借金を何とか返し終えた耕平は、北海道・斜里の実家に戻る。その雄大な自然に癒されたものの、働き口は見つからない。そこに新聞配達所で一緒だった沖縄出身の竹田杏菜が突然やって来る。ようやくスーパーの正社員の道が見えてきた矢先、酒酔い運転で事故を起こしてしまう。明日への希望を問う感動長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

362
上巻では今一つ感情移入し難いものを感じていたが、下巻に入って共感度は上がった。もっとも、それもまた事故以降は再び下降するのだけれど。また、夏川りみの歌が物語の展開点に置かれることは、小説そのものの持つ力がむしろ減殺されマイナスにしか働かないように思われる。エピローグにも甘さが目立つ上に、タイトルに取られた「ニサッタ」も、下巻でどのような展開を見せるのかと思ったが、北海道の斜里を物語の舞台にしているという以上の積極的な意味を持てないままで終わったようだ。「明日への希望を問う感動巨編」は如何なものか。2021/11/05

yoshida

94
耕平は故郷の斜里に戻る。スーパーのアルバイトとして再起。正社員を目指して業務に励む。伏線としてあった彼の自堕落さ。それが大きな過失となる。再び職を失い借金を抱え、逮捕にも脅える耕平。母や新聞販売店時代の同僚の杏菜にも当たる日々。祖母や母、杏菜の力で耕平は徐々に立ち直る。個人的には、東京から唐突に杏菜が北海道に来たことに驚いた。職も住居も準備がない。徐々に明らかになる彼女の天涯孤独を知れば、あり得た行動か。自堕落との訣別と再起が描かれる。私も自堕落だし誰でもある側面と思う。後は程度の問題か。読みやすい作品。2022/10/16

tengen

68
知床の故郷に戻り、バイトでも何でも良いから仕事に就きたいと願っていた。そんな耕平の元に一本の電話がかかってきた。なんと竹田杏菜から、それも地元の女満別空港に到着したと!何故か前職後輩の杏菜が片貝の家に転がり込むことに。 そして、それなりに平穏な暮らしをしていたのだが……事故は起こった。絶望的な耕平に対して杏菜はとうとう自分の秘密を明かすのであった。 ☆彡 面白かった。2015/05/03

miel

62
リーダビリティは抜群。読後の爽やかさも良いんだけど。もう、とわ婆ちゃんがバカ孫に話してくれるまでのもどかしさと言ったら・・・ 杏菜はぐんぐん健やかに成長してるのに、このダメな男ときたらあまちゃんすぎる。大きな事件がないと成長出来ないわ、すぐにいじけるわ、家にいたらすぐに追い出したくなる。でも、それでも捨てないのが母や祖母、女の懐の深さなんだろうな。私にはこの母性が欠けてる、欠けすぎてる笑 前作の重みや濃密な雰囲気がなくなってしまったのも、この魅力のない主人公のせいじゃないかと。ちょっと残念。2020/08/03

カーミン

58
上巻に引き続き読了。大卒で就職した会社を2か月で辞めた耕平は、その後派遣会社を転々としたあげく、ギャンブルにのめり込み、借金を背負うことになる。その借金を何とか返し、故郷の斜里の町に戻るが、スーパーのアルバイトからようやく正社員の道が見えてきた矢先に、飲酒運転で事故を起こす。ため息が出そうになるほどだらしない耕平。しかし、それに比べて、登場する女たちは、強い!耕平の母、祖母、そして東京時代の同僚だった竹田安菜。この世は、強い女性によって支えられているのかもしれない。2019/05/15

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