内容説明
北町奉行所定町廻り同心の娘・薫と祝言をあげ、同心見習いとなった雀太郎。もとは大店の若旦那だが父親が店を潰し、笊売りの棒手振りだった。町廻り中に子どもに頼まれ、姿を消した父親を探す雀太郎は、その失踪の裏に盗賊一味の関わりがあることを知った。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいしょう@SR推進委員会
9
元大店の若旦那が棒手振りのざる屋から八丁堀へ婿入りにあいなりました。若旦那らしいおっとりとした風情は三国一の花婿に、棒手振りは探索の張り込みに、皆伝を受けた棒術は悪人たちとの闘いにと、若旦那、意外と芸達者です。出来た嫁もさることながら、事件に関わった元婚約者も出来た娘で、若旦那は人との縁に恵まれているみたい。短編3作とも、さりげない庶民の心情にホロッときました。そのうえ素直で前向きな若旦那の魅力もあいまって、なかなか気持ちの良い読後感。変わることないスタイルでの続編を希望しちゃいます。2012/05/31
雨巫女。@新潮部
7
《母-図書館》若旦那→棒手振り(行商人)→奉行所同心に華麗なる転身。元許嫁や結婚など、いろんな事がありましたが、頑張ってほしい。2014/05/30
ひかつば@呑ん読会堪能中
5
第2巻。前巻で町人から同心なることが決まったのでもう侍になっているかと思ったら、その直前の話からスタート。大店の両替商を潰した主である父親が自分のいい加減さを棚に上げて同心の婿に行く息子を叱咤するところがなんともいい。この父親のほか皆善人のキャラで、殺しも出てくるが重たくなくて全体がほのぼのしている。今回もチビリとやりながらあっという間に読み終えてしまった。細かいことを気にせずシリーズを楽しんじゃおう。2012/11/30
nyaboko
4
大店の若旦那から棒手振りに身を落とした男が、同心に気に入られて婿養子にと望まれた後から、実際に入り婿するまでの話。今回は主人公が「同心の心得」的な意味合いも含めてアレコレ引きずり回されるので、ちぐはぐ感が埋まってる印象。また情報のすれ違いなんかもあって、なかなか面白かった。逆に今度は主人公の親父のチャチャがウザいwww 読後感は相変わらずよいので、気軽に読める一冊です。2012/10/12
あき
2
武家に婿入りが決まったのに、のんきに振り売り続けてていいのかな?って気もするけど、元々が大店の若旦那だったから、教養や礼儀作法は大丈夫ってことなんだろうか。主人公の生真面目さと、勧善懲悪のストーリーで読後感が爽やかで良い。2021/11/26