内容説明
出賀茂(いずかも)神社の跡取りで忍者の血を引く甲斐は、秘密の社伝『蘇我大臣馬子傳暦(そがのおおおみうまこでんりゃく)』を追って、巫女の貴湖(たかこ)らと九州・天草へ。そこでは、児童養護施設「ロザリオ園」のシスターが撲殺されるという事件が起こっていた。犯人は神父が匿っている、と睨む甲斐だが、その前に、“神の子”天草四郎出生の謎が立ちはだかる。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
45
天草四郎は、四男でもないのになぜ四郎という?もしかしたら少女?人探しや殺人事件のことより、四郎の謎解きが面白いな。ほうろくみたいな犬と一緒だと楽しいだろうなぁ(^^)2016/08/20
るぴん
35
カンナシリーズ第2弾。盗まれた社伝と早乙女諒司を追って九州・天草へ旅立った甲斐、貴湖、竜之介と忍者犬のほうろく。天草四郎は四男ではないのに何故「四郎」なのかの謎解きは、すごく腑に落ちた!四郎が見せたという奇跡も、甲斐達が考えたように思えば説明がつくなぁ。天草本ローマ字も知らなかったし、「乱」と「一揆」の認識の違いや、幕府軍が原城殲滅のためにしたことも初めて知った。まさに貴湖が言うように「歴史は覚えるものではなく、考えるもの」。カンナシリーズは副題の語尾が臨兵闘者皆陣列在前になってるのね〜。2020/03/09
福猫
30
前作で大きな謎が残ったままなので、このままシリーズ続刊へ突入。今回の舞台は九州熊本・天草。登場人物の不自然な熊本弁がちょっと気になる。『ばってん』の使い方間違ってますから…(苦笑)。ばってんよかたい。って感じで読了。謎多き美少年・天草四郎。殲滅に追いこまれ、完膚なきまでに叩き潰され、血塗られた一揆の真相は一体なんだったのか。今回の結論は、ありきたりと言えばありきたりの為、何だかちょっと拍子抜け。高田さんらしくもっと奇抜な説が欲しかったかな~。取りあえず飄々とした甲斐クンがなかなか良いので、次の巻へ進む。2013/08/07
瀧ながれ
26
天草四郎の存在や、天草の乱の詳細など、遠い伝説のような印象だったものが、生々しく感じられた。それにしても、人探しをしてるだけなのに、殺人事件に出くわしたり、自身も殺されそうになったりと、タイヘンなことですなあ。犬の「ほうろく」の優秀さに拍手。2014/09/05
のほほん@灯れ松明の火
25
聖徳太子の次に天草四郎って、かなり飛ぶんだなぁーっていうのが、最初の印象でした。QEDに比べて蘊蓄度は抑え気味に感じますが、四郎という名前についてとか、やっぱりフムフムと感心の考察でした。2012/08/23