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内容説明
「人に気をつかいすぎる」「親しい関係が苦手」「依存してしまいやすい」「発達障害と似たところがある」「意地っ張りで損をする」――その裏側には、愛着の問題がひそんでいる! 3分の1の大人が「愛着」に問題を抱えていると言われる今、人格形成の土台ともいうべきこの「愛着」を軸に、生きづらさやうつ、依存症などの問題を克服するうえで、新しい知見を提供する。【光文社新書】
目次
第1章 愛着障害と愛着スタイル<br/>第2章 愛着障害が生まれる要因と背景<br/>第3章 愛着障害の特性と病理<br/>第4章 愛着スタイルを見分ける<br/>第5章 愛着スタイルと対人関係、仕事、愛情<br/>第6章 愛着障害の克服
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
124
気になるテーマだったので読んでみました。巻末のテストをやると、どうやら私は不安定型愛着スタイル(やや回避型もあり)らしい。私が育った環境を思えばこの結果も納得。愛着障害は子供時代に充分に親から愛情を貰えないと生じる後天的なもので、夏目漱石や太宰治、川端康成、ルソー、ヘミングウェイ、ジュネなどもこの「生きづらさ」を抱えていたと本書は言います。克服方法も一応、書かれていますが、なかなか実践するのは難しいように思えます。その中でも「自分が自分の親になる」というのは一つの方法として実践しやすいかもしれません。2018/01/01
ネギっ子gen
62
<通常の精神療法や治療ではなかなかうまくいかない状態には、愛着障害がひそんでいることが多い。逆に言うと、どういった治療法をとるにしろ、難しいケースが改善するという場合には、愛着障害の部分に、うまく手当てが施されているのである。そのことは、治療者自身にあまり意識されていない場合もある。治療法の中心というよりも、外縁的で補助的な部分と考えられている場合もあるが、実は、そこが一番大事なのである>として、愛着という視点をもつことは、問題をより立体的な奥行きで把握し、本当の意味での回復をもたらす大事なヒントに――⇒2020/10/20
kayoko
62
乳幼児期の愛情に深く関係するらしい愛着障害。著名人にも多く、乗り越えた人等の興味深い話もあったけど、途中やや疲労気味になってしまった。愛情とは安心。という事はわかった2019/05/27
鷺@みんさー
44
私にとって生き方の教科書みたいな本だった。私は不安型、というのは前からわかっていたが、様々な著名人の例を挙げ、原因を説明した後、どのような言動が起きやすいか、その背後にある心理はなにかという解説。そして、愛着障害を乗り越えるためのプロセスで締め括られている。今私は、乗り越えプロセスの八合目まで来ていると感じた。改めて安全基地となってくれた彼に感謝したい。それにしても私は、発達障害の傾向は生まれながらにあったにせよ、このようになったのはやはり幼少時の虐待が影響してるんだな…非常に様々なことを考えた。2019/06/10
ヒロミ
42
お盆にかけて読了。「愛着障害」とは幼い虐待児だけの問題ではなく大人になってからも対人関係を作る上で重要な問題である、とのこと。幼い頃安定した愛着スタイルが持てない人は長じてからも対人関係ストレスを抱えやすいそうだ。様々な著名人の愛着スタイル問題についての考察もなされているが、川端康成やオバマ大統領は意外だった(太宰治はやっぱり…と思った)。読みやすく、問題を抱えた人への共感ある視点も感じる本だった。巻末の愛着スタイル診断テストでは私は「安定-回避型」だった。何だか納得。2015/08/16