内容説明
――世界は退屈でちょうどいい。 ただひたすら平凡を愛する少年、籠島諦は今日も変わらぬ日常を謳歌していた。彼には異世界からやってきた魔法使いも、はるか未来から訪れた電脳戦士も、研究機関の指示で戦う超能力者も必要ないのだ。 鈍感をこじらせ過ぎた少年と、世界を守る3人のヒロインたちが織り成す超鈍感覚ラブコメディ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
王蠱
15
「鈍感」がここまで人を傷つけ、だが同時に肯定することになるとは。途中まで諦の異常な鈍感さは何か気味が悪い程だったが、そのきっかけのエピソードを読むと納得はしにくいがとりあえずは呑み込めた。平和のために戦い、けれど決して賞賛されぬ(作品によっちゃ表立って活動してるヒーローもいるけど)「正義の味方」という存在が抱くであろう葛藤。「報われないことが報われること」という言葉はある意味悲劇的で、けれどそれを胸を張って言えることが恐らく「正義の味方」である一つの条件なのだろう2013/01/14
晦夢
9
これは物凄い異様な作品だな。鈍感にも程があるだろうといったところ。周りで超能力者や異世界人、未来人が超常の力で戦っていても全く気づかない。正義の味方は人知れず戦うというのの究極系というか。それでも帰る日常があればいいのかなあと思ったり。神楽井先輩の腹話術で必死にごまかそうとする姿は面白かった。2014/10/24
秋庭誠
6
C+ ライトノベルの主人公は大抵ヒロインの恋愛感情に気づかないモノです。しかしこの話の主人公、籠島諦はすごい。目の前で、魔法やら超能力やらが飛び交っても、CGや中二病だと思いこんだりするのです。そんな勘違い少年の物語。鈍感が人を傷つけるとはよく言ったものです。ただ、読んでいても嫌味がないのでむしろ爽快。2013/08/01
奇天
5
面白いことは面白い。ただ同じオチの繰り返しなら、もっとスラップスティックにしないと飽きる感じはする。アイディアが良いというよりこのアイディアで最後まで引っ張り切れたのは実はけっこうすごいと感じる。化ける作家かもしれない。2011/09/17
Kuromani
5
非日常を支えてるのはきっと、この話の主人公みたいなキャラ達。アイデアは面白かった。ただ、このネタだったらもっと膨らませられるだろうとも。主人公のあらゆる鈍感を駆使するスルースキルは笑えました(笑)2011/08/08