角川文庫<br> テンペスト 第二巻 夏雲

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角川文庫
テンペスト 第二巻 夏雲

  • 著者名:池上永一
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • KADOKAWA(2014/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043647125

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内容説明

恐れ知らずの辣腕で、次々と王府の改革を断行する孫寧温。一方で、薩摩藩士・浅倉雅博のやさしさに惹かれ、男と女ふたつの人格のあいだで心が揺れ動いていた。王宮では聞得大君と王妃による女同士の覇権争いが勃発。騒動を鎮めようとした寧温だったが、聞得大君の執拗な追及に、自分の正体が女であることをついに明かしてしまう……。夏の雷雲のごとく、寧温に迫り来る幾多の試練。吹きすさぶ嵐はまだ序章に過ぎなかった!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

261
『愛に生きるか、正義を貫くか』池上流琉球版『蒼穹の昴』第2巻。嵐の夜に生を受けた真鶴(まづる)は女であることを捨て宦官として琉球王宮で生きる。名は孫寧温。王国の行く末が危うき中、女同士の覇権争いという自堕落。最も隠し通さねばならぬ秘密が早々に露見!早すぎる!と心配になる読者を嘲笑うかのような急転怒涛の展開!次々繰り出される攻めはまるで早打ち将棋。王手の連続!攻め来る巧手を奇想天外な手でかわす。窮地に陥り遂に伝説の一手を振りかざす!えっ、まだ2冊あるんだよ?どうなんの?まさかの序章?興奮が止まらない‼️🙇2020/01/27

ALATA

89
アヘン戦争で疲弊する清、王府に蔓延する汚職、陰謀渦巻く御内原に落ちた聞得大君加那志、歴史の波は大きく動きだす。蟷螂拳の達人、奸智に長けた徐丁垓の登場で一気に劇画調に。うす気味悪い宦官に翻弄されるところは「なんてこった」という印象です。薩摩の藩士との間に揺れ動く寧温の恋心が一服の清涼剤といったところ。孫親雲上の去り際の香り香を手に掬う薩摩の青年士族。鳳凰木で真鶴を見つめる瞳がやわらかい★3※罪人として八重山へ流される、寧温の運命は・・・「龍の子らよ。琉球を守りたまい」次巻へ。2023/12/10

kishikan

77
1巻目のコメントはちょっと持ち上げすぎてしまったかなぁ。この2巻目は、他の皆さんが書いているように、ちょっとドロドロし過ぎ。徐丁垓の気持ち悪さもやり過ぎだし、現代に例えた説明も余計。真鶴と寧温の心の中の葛藤という大事な場面なのに、僕ら読者の気が散ってしまう。ここら辺は池上さんらしくないな。長編大河小説の中だるみなのかもしれないけれど、読者を信じて沖縄のストーリーに徹して欲しいところ。3巻以降に期待しよう。2011/06/18

優希

68
物語の展開が早く感じます。宦官として王宮に入ったと思えば、もう女であることが明かされてしまいました。それがかえって寧温と真鶴という2つの人格の間を揺れることとなったのですね。どちらを選ぶこともできない苦しみは、潰されそうな圧力だったことでしょう。妖怪のような徐丁垓の手にかかってしまったことが大きな悲劇に思えました。体を奪われたことで蔑まれることになるのが本当に辛い。周りが敵になり、次々と襲う不幸。ただそれでも信念を持ち続ける真鶴の強さに胸を打たれました。2015/07/03

かおりんご

47
小説。読み始めるとあっという間に読み終わっちゃうくらい、物語の世界に引きづりこまれます。それにしても、他の方が書いているように展開が早い!雅博殿とはどうなるの?真鶴として生きられるの?朝薫兄さんは?そして琉球王朝はどうなっていくの?と、ハラハラしぱなし。これでまだ半分だなんて、真鶴の人生は波乱万丈過ぎますね。2017/01/31

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