内容説明
全ての事の発端は1707年。劇作家でもあるジャンピエールが、友人のマイザーを通してフェルメートという錬金術師に出会ってしまったことがきっかけだった。『不老不死』という言葉に吊られ、マイザーはベグやチェスと知り合い錬金術に魅入られていき、ジャンピエールは自分のファンというフェルメートに魅入られていった。 そして二年後の1709年。未だ錬金術を学ぶヒューイは、過去に囚われつつも徐々にモニカとエルマーに心を開き始めていた。だが、この街の異物を探ろうとする使節団の来訪とジャンピエールの書いた新しい劇によって、ヒューイたちにも暗い過去の影が忍び込んでいく──。 馬鹿騒ぎの始まりに迫る異色作第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
29
裏社会の住人達による物騒でド派手なバカ騒ぎ物語の過去編2冊目。ヒューイとモニカの真実について描かれた話。これはエゲツない。誰も信じることが出来なかったヒューイと、ヒューイの事を誰よりも想い続けたモニカ。そんな二人が結ばれ、平和な日々を過ごす姿は、幸福そのもので非常に良かっただけに、その後の展開の胸糞悪さが際立ってますね。こんなに残酷で、最低な結末を迎える愛の物語って中々ないよなぁ。モニカの最期は心に残ったしグッときたけど、余りにもあんまり過ぎて正直キツかったです。何だか救われない話でした。本編どうなる。2016/07/06
佳蘋(よし)
24
1700年代の何かが一番よかったかというと、やっぱりヒューイの人間臭さかな。恋を知った彼はなんとも微笑ましくていじらしい。余計に最後が哀しかったんです。黒幕の思惑が実に救いようがないから、さらに哀しい。ああ、ラブロ殴りたいわ。2012/11/14
星野流人
22
うわあ、なんてこったい……。衝撃的にはシリーズ中でも屈指の出来。すでに未来のストーリーが確定してしまっている以上、ある程度は想定の範囲内の出来事ではあるのだが……一度希望を持たせてのあのラストはキツい。 1900年代編に比べてヒューイが実にクールなのに内に熱を秘めた主人公気質なため、読んでいて楽しい。そんなヒューイとモニカのやり取りは、恋物語としてもなかなかの完成度だった。それだけに、やるせないあのラスト……。全ての元凶たるアイツめ、絶対に許さない……! ベストイラストは、151頁のヒューイとモニカ。2012/06/04
割れたオカリナ
18
1700年代2作目! モニカの死の真実が語られる しかし真実は意外ものだな 2002年でフェルメートが殺したことが分かってたけど全部フェルメートに踊らされてるって感じだったね しかしフェルメートはとんだクソ虫だな 直接駒を動かさないで駒の動かし方を自分のいいようにアドバイスするから余計に性質が悪い しかしまぁヒューイにも青春があったんだな そしてこの事件以来あんな性格になったのかな? あれがなければ笑顔のヒューイもいたのかもな しかしダルトンもずっと第三図書館にいるんだなw2013/09/16
スケキヨ
18
今巻は何と言ってもヒューイの仮面を取った立ち振る舞いでしょう。自分の気持ちに素直になった彼の言動はもう真っ直ぐで、力強くて、純粋。読んでるこちらが恥ずかしいセリフもぼんぼん出てきてニマニマが止まらないです。あぁ、このまま「めでたし、めでたし」で終わればなあ、と感じました。読む前から結末を知っているとはいえ、やはり悲しい。特にカラーページの最初と最後、走り寄る姿が切ない。こんな清濁併せたメンバーがどういう巡り合わせであの『船』に乗るのか楽しみです。2013/01/18