内容説明
その不死者の名はエルマー・C・アルバトロス。“笑い”に異常な執着を持ち、ハッピーエンドの為なら手段を選ばない『笑顔中毒者(スマイルジャンキー)』である。 三百年前に別れたその男を捜して北欧の森を訪れた4人の不死者たち。そこには古びた小さな村があった。突然現れた来訪者に敵意の眼差しを向ける村人たち、なぜか彼らに“悪魔”と恐れられているエルマー、そして不思議な少女――。 謎に満ちた村で繰り広げられる、『バッカーノ!』異色作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
33
マフィアドタバタ群像劇の5冊目。マイザー達不死者一行が、ある筋から手に入れた情報を元に仲間のいる場所へ向かう話。うーん、やられた。毎回毎回よくもまぁこんなに個性豊かで魅力的なキャラクターを生み出せるもんだ。笑顔の為なら悪にでもなれる男・エルマーを核として、予想外で愉快でハッピーな物語にしてしまうとか作者さんの力量には脱帽ですわ。デュラララでも思ったけど、やっぱり成田さんの群像劇は他とは一味も二味も違いますね。チェス君の内面も描いてくれたし、非の打ち所がない展開で大満足。次巻も早めに読もう。2016/06/23
かめ吉
20
今回は21世紀の北欧の村が舞台となっていて、登場人物もマイザーやチェスといった初期に不死者となった人達がメインとなっていました。その中でもインパクトが強かったのは笑顔中毒者(スマイルジャンキー)のエルマーですね。笑顔のためなら善にも悪にも染まってしまう危険な男なんだけど、どこか憎めない不思議な男です。そして21世紀に入ってようやく自分たちが不死になっていることに気づいたアイザックとミリアに笑ってしまいました。異色の部類に入るけど十分に面白い作品でした。2015/05/03
スケキヨ
19
おや?今巻はシリーズの中でも毛色が違うのかな?舞台は『真冬の陸の孤島』。ある人を訪ねてやってきた4人がもう個性的で、訪ね人も個性的で、閉鎖的な空間に生まれる重たい疑心暗鬼は軽く吹き飛ばされました。チェスがやっと鎖から逃れられたことが一番嬉しい。始まりのあの舟の不死者の生き残りの詳しい情報がわかって少し驚きました。シリーズ通して煙に巻かれるものだとばかり思っていたので。ホムンクルスの観念を地下鉄でたとえられていてとても分かりやすかったです。次はですね、1933…戻りますなあ~2012/11/08
END
17
今までの馬鹿騒ぎより薄暗くて落ち着いた雰囲気。バトルが多い1930年代よりこっちの方が好みかも。「人造人間」ってキーワードも2000年代だとSFっぽく感じるもんだね。今回から登場のエルマー。今までの『バッカーノ!』キャラの中で一番好き♪ある意味凄い身勝手なヒーロー!フェルトに向かっての決め台詞のシーンはエルマーの歪んだ笑顔が頭に浮かんだ。それでもちゃんとハッピーエンドにもっていったのはさすが。2013/10/02
Saiid al-Halawi
16
エルマー・C・アルバトロスは、ハッピーエンドの為なら手段を選ばない。2013/08/30