光文社古典新訳文庫<br> アンナ・カレーニナ 2

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光文社古典新訳文庫
アンナ・カレーニナ 2

  • 著者名:トルストイ/望月哲男
  • 価格 ¥1,078(本体¥980)
  • 特価 ¥754(本体¥686)
  • 光文社(2013/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334751609

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内容説明

官僚としての体面と世間体を重んじる夫の冷酷な態度に苦しみながらも、アンナはヴロンスキーとの破滅的な愛に身を投じていく。愛するゆえに苦しみ悩んだ結論は……。一方、新しい農業経営の理想に燃えるリョーヴィンは、失意から立ち直ったキティと結婚生活を始めるのだった。登場人物たちの微妙に揺れ動く心理と時代背景を、端正かつ抑制の利いた訳文で鮮やかに抽出した新訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Lara

110
アンナがブロンスキーとの子供を出産した後、カレーニンはアンナを許し、再び一緒に生きて行こうと宣言する。アンナを失ったブロンスキーは、自殺を図るが未遂。アンナはどうしても、カレーニンが許せない。ブロンスキーは病床のアンナを訪ね、二人で生きて行こうと決断する。アンナはカレーニンからの離婚の申し出を断り、ブロンスキーと国外へ発った。方や、一旦は結婚を断られたリョービンは、キティとの結婚が決まり、婚姻儀式に向けて進む。2021/06/06

藤月はな(灯れ松明の火)

95
愛人との子を身篭ったアンナは夫に真実を告げる。でもその行為は秘密を保つ事に耐え切れなかった自分勝手さ故にしか思えないのです。一方で嫉妬のために離婚協議と親権争いでアンナ達を苦しめる事を決めつつも、アンナが産褥熱で苦しむ姿を見て二人を許すカレーニナ氏の姿は本当に立派。道理で自分の愛欲だけで駆け落ちしたヴロンスキーが引け目を感じる訳だ…。そして農業に参加してキチンと草を刈る農夫達に感心するリョーヴィンの姿にますます、好感が持てます。文節の頭文字で愛を確認するキティとリョーヴィンは誠に初々しく、微笑ましいです。2017/03/23

33 kouch

91
全てを旦那に告白するアンナ。正直に伝えて気持ちよくなっているが、ただの自己満足でどこまでも我儘で感情的に見えてしまう。こうなったのも旦那の責任だと詰め寄るシーンは狂ってるようだ。確かにカレーニンにも見栄や体裁を守る、真の愛と言えない側面もあるがそんなに責められるべきだろうか。そもそもアンナをそこまで拘束していたのだろうか…少し肩入れしてしまいながら読む。リョービンの耐えに耐え、ついに実った恋は喜びの反動が凄い。この世で最もつまらない代表物である「会議」が楽しく映るだなんて。。まさに恋は薔薇色か。2024/01/08

Willie the Wildcat

76
社会の変化。過渡期を描写するかのような2つの矛盾。本音と建前のカレーニンとアンナの矛盾は、意図的ではないにせよ周囲を傷つける。一方、リョーヴィンが直面する共同体における矛盾は、根底の階級・格差が高い志を妨げ、農民との軋轢ともなる。ヴロンスキーの自殺未遂に対して、キティとの新たな船出。好対照な転機が、2つの矛盾の根底の差異を暗喩。カレーニンとリョーヴィンが、ホテルで遭遇する場面が印象的。悩める2人が本音で語り合えたらその後の展開はどうなったのだろうか・・・と、つい想像していた。2016/05/27

うののささら

72
農業という実業にむかいあうリョービン。大地主の貴族では変わり物。固有の働き方を求める農民と新しい農業のあり方を模索し苦労するリョービンの人物像。宗教を信じられないという欠点はあるが、自分で考え切り開いていく人生は、都会で毎日飲み会を開く貴族社会で生きていく人生より尊い。アンナに浮気された夫カレーニンは、精神的、肉体的にも悪くなっていく。愛を無くしても関係を断ち切れず、不幸は日に日に深くなる。荒々しくせまる脅威に、おびえる日々。自分の不幸に人々がむける隠し難い喜び。人間の罪深さが存分に書かれている。2023/10/06

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