内容説明
「わしはもう江戸を生きるしかね。剣術以外の稼ぎがあるとは思いもしなかった。やってみるべと思う。」──金を掏られて行き倒れた羽州浪人・永井新兵衛を、口入れ屋の庄三郎が救った。口入れ稼業の要諦は、人を見抜く眼力。まるで水面を流れる木の葉のような新兵衛の人柄に惚れたのだ。地獄に仏と、新兵衛は食うため、生きるため慣れぬ仕事に精を出すが……。市井の人情を描いて当代一! 名手が贈る感涙の新シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カバン
8
お家騒動に巻き込まれて脱藩した新兵衛と、その新兵衛に縁あって仕事を世話することになった口入屋の慶安たちの関係がとても好きです。2015/04/04
タツ フカガワ
5
再読本。口入れ屋(職業斡旋業)シリーズ1作目は、木の葉侍こと羽州浪人の永井新兵衛がいい。東国訛りの素朴で優しい人柄に、剣をとっては無双の強さ、というのがじつに魅力的で、その人柄ゆえに今回もほろりとなることたびたびの人情噺でした。2017/08/25
だいしょう@SR推進委員会
3
主人公の話す東北の方言が物語を穏やかでほわわんとした雰囲気にしています。なので、ちょっと緊張感にかける嫌いはあります。でも、個人的にはこういうおとぎ話ふうなストーリーは好き。想いをかける娘とはスムーズに結ばれてほしいし、できればその親も最後まで主人公の味方でいてほしい。そう思わせてしまう朴訥で純粋な青年なのです。2011/09/18
まりりんりん
1
この作家さんの独特な文章が好きです。特に副詞とか形容詞が独特で。 そして今回の主人公は羽州浪人・永井新兵衛。元は捨て子でありながら、独自の剣の修行によって藩の剣術指南役へと上りつめた。しかし、御家騒動の決着をつけるために自ら手を汚して脱藩したのだった。 そして想い人を江戸で待つ日々。二人が巡り会って幸せになれる日はいつなのか。 祈るような思いで続きを読みたいと思います。2011/09/16
haru
0
◎