内容説明
天正18年(1590)、豊臣秀吉は戦国乱世の時代に終止符を打ち、天下統一を成し遂げた。この偉業を支えた二人の名軍師が、竹中半兵衛重治と黒田官兵衛孝高である。わずかな手勢でやすやすと美濃・稲葉山城を盗り、そのあとで城を主に返して隠棲した無欲の天才・竹中半兵衛。秀吉が織田家臣団の中で台頭する時期、戦場における半兵衛の貢献は計り知れないほど大きかった。一方、播磨の国人に仕える一家老でありながら、天下への志を抱いた智謀と誠実の人・黒田官兵衛。本能寺の変に際して中国大返しを実現させ、官兵衛は秀吉に天下人への道を開いた。「二兵衛」と並び称された半兵衛と官兵衛は、置かれた環境は異なり、性格も正反対だった。にもかかわらず、互いの才を認め合い、相手を信頼し合って、秀吉の天下取りを補佐した。二人が抱き続けた志と友情は、今日の我々の胸を打つ「熱さ」を帯びている。不世出の軍師二人の人生を描いた力作長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
自然堂
5
ドラマの予習。悪くはないが、これはもはや半分時代小説だなぁ。 この人物描写には異議を唱えたくなる人もいるだろう。特に半兵衛が比叡山焼き討ちを戦略的に何の意味もない事、と 断定してしまうのはさすがに不味い。道義的な意味で疑問を持つ、というだけなら良いが 無意味と言い切ってしまうのは感傷的に過ぎる。そしてそのセンチメンタリズムを命題として常に甘っちょろい葛藤を繰り返し終始腰が定まらない官兵衛。 戦の描写が物足りないし、存在意義の薄いオリジナルキャラも邪魔なだけ。つまらなくはないけど、小品と言ったところか。2011/01/02
ゆみゆみ
3
半兵衛に関しては、現在に伝わっている話はほとんどが逸話だと言われているので、あくまで物語として読んだ。官兵衛に関しては関ヶ原の時に、何を目指して九州で暴れまわったのか、その動機も充分書かれていなかったので少し消化不良気味だった。半兵衛も官兵衛も、つまりは天下取りには興味は薄かったということだったのか?二兵衛について知りたい人の入門書にはちょうどよいと思う。2015/08/10
はなん
3
来年新春の時代劇原作本ということで。歴史小説っていうのはどうしてこう切ないものなのか。「軍師」は兎角脇役で、いままで名前は知っていてもどんなひととなりか?は知らなかったから、読みやすくてよかった。半兵衛さん。36歳は若すぎます。彼がもし生きていたら・・・官兵衛が振り返る時にともについ考えてしまう。2010/08/13
ひらぱー
2
☆☆基本知識としては勉強になりました。でも竹中さんの真の狙い、黒田さんがなぜ戦略家なのかよくわからないまま消化不良。竹中さんの方が人間としては高い視点だったということか。2017/10/21
シン
2
率直に言って黒田官兵衛だけでみるとやっぱり司馬遼太郎さんの「播磨灘物語」の方が面白い。2012/11/17
-
- 電子書籍
- 凍てついたハート【ハーレクインSP文庫…
-
- 電子書籍
- スピリットカルテ 病院内メッセンジャー…
-
- 電子書籍
- 佐々木と宮野 6 MFC ジーンピクシ…
-
- 電子書籍
- 薄桜鬼ー新選組奇譚ー公式イラストブック…