内容説明
女房の殺し方教えます! 互いに甘い言葉を囁きあい、あんなに愛しあったこともあるのに、今では……。ひとつのペンネームで小説を共同執筆する4人の男たち。4人が選んだ新作のテーマが、よりによって「妻を殺す方法」。常日頃、女房に泣かされ、悩まされている4人の男たちは、アイデアを練るうちに夢と現実がごっちゃになり、事態は思わぬ方向へ進み始めた。赤川次郎が放つ、新感覚ミステリーの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
119
小説を共同執筆する四人の男。 2人が執筆し、一人が構成,一人が情報収集という担当。 妻を殺す方法について、全員が原案を書いてみることに。 4つの小説内小説と、4人の生活がそれぞれ別に進む。 都合8つの筋書きが、重なり合って行く。2012/07/30
chiru
115
ひとつのペンネームで共同執筆する“4人の作家”たちは、「妻」との冷えきった関係に悩み、次の作品のテーマを《妻殺し》に決定。「4つの構成、4つの動機、4つの作中作、4つの殺害方法」というコンテンツを『小説家、脚本家、作詩家、インタビュアー』の4視点で原稿のアイデアを出しあう。何より作中作が面白く、狙われた「妻」が虚構と現実の間でリンクするのがスゴイ‼ 誰も死なないのに爽快なヤラレタ感!最終的には「5話」でひとつの物語。ユニークな離れ業がキマったメタ・ミステリでした。★4.52021/03/13
『よ♪』
52
あれっ!?これコンパクトな作品だけど傑作じゃん!?──と、思ってしまった。主人公は共同執筆作家、西公路俊一。まぁ藤子不二雄みたいなもんです(違う?)。4人で1人。2人で1人はプリキュア™みたいな?いや失礼💦この売れっ子さんがオムニバス小説のプロットを作るんです。4人で1つずつアイデアを持ち寄って。…で、タイトルにあるように奥様に悩まされてるんですよ、色々と。ねぇ?んで、そこから抜け出したい妄想を小説にするんですが──。この作中作がなかなかどうして面白い!そこの仕掛けも面白い!うーん、メタ構造。これ絶品♪2021/02/23
いしかわ
50
四人で小説を書いてる男たちが、妻殺しをテーマに各々物語を書いていく。赤川次郎の作品は軽くて、簡単に読めてしまうので あまり手にしてなかったが この作品は、すごい!と素直に思えた。四人の男たちの文体それぞれきちんと分けられ、個性もハッキリしていて展開に引き込まれる。私が考える結婚っていうものと、男の人ってものが そのままストレートに書いてあって笑える部分も、納得してしまう部分もあった。女性、男性共に読んでもらいたい本。2014/03/08
nemuro
46
2007年8月頃。当時、集中的に買い揃えていたらしい「赤川次郎ベストセレクション」(角川文庫)を最近、発掘。③本書(根室・伊沢書店)、④『晴れ、ときどき殺人』(紀伊國屋書店札幌本店)、⑧『殺人よ、さようなら』(リラィアブルブックス根室店)など6冊。懐かしさもありつつ、『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)で知った中村佑介氏のカバーイラストに惹かれてと思われる。思えば、本とは無縁だった私が、1980年頃、「網走~札幌」間など列車での長距離移動の機会が増える中、駅・キヨスクで買って読み始めたのが赤川次郎だった。2025/02/01




