内容説明
蒼白い霧の峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登(うらど)家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴……。著者畢生(ひっせい)の巨編、ここに開幕!(全四巻)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
267
とうとう訪れました「暗黒館」。もう引き返せないよ。不穏なイベントが数々起きましたが、これがこれから加速するのでしょうね。浦登家の人物像ね。これらの設定は余す事なく使用されるのでしょうか。江南くんはどう関わって来るのか。そして、鹿谷門実はどの様に現場に登場するのでしょう。なるべく注意しながら読んだ積もりですが、最後まで覚えて居られるかな( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。御歳90を超えると言う鬼丸氏は、耳も悪くない様で誠に良う御座いますね。〈ダリアの宴〉とは一体何なのか。全てこの後明らかになるのですね。第2巻へ。2022/10/30
青葉麒麟
267
600ページ弱あるのに未だ誰も殺されて無い事に吃驚(゜ロ゜)延ばすねぇ(^_-)果たして何人死ぬんだろう?2012/02/11
おしゃべりメガネ
218
久しぶりの綾辻さん作品、しかも『館シリーズ』です。更に文庫全4巻からなる壮大な『暗黒館』の幕開けとなりました。1巻からイキナリの600頁超となるその分厚いボリュームに屈するコトになるかと思っていたのは、全くの杞憂?に終わり、600頁読んでいるとは思えないスピードを自然と苦にならずに導き出す、そのリーダビリティはやはり格の、そしてある意味次元の違いを見せつけてくれます。正直、前半の300頁分くらいは本作のプロローグ的な前フリですが、その前フリでさえ、しっかりと綾辻カラーを醸し出すのは流石としか言えません。2016/03/27
勇波
175
ついに「暗黒館」へ到着しました。。まだ事件らしい事件も起こってないけど、退屈させないこの館品質はさすがの一言!ISOでも取得すればいい。『あんこくかん』という言葉の響きだけで満足できます(笑)物語の所々に正体不明の違和感を感じつつも2巻へ入館します★2016/04/06
イアン
160
館シリーズ第7弾。熊本県の山奥、その湖上の島に聳える異形の館「暗黒館」。大学生の中也は当主の息子・玄児に招かれその地を訪れるが…。血塗られたような漆黒の館、シャム双生児の姉妹、奇病に侵された少年…。これぞ本格と言わんばかりのゴシックな世界観に、いやが上にも期待は高まる。年に1度開かれる<ダリアの宴>とは。そしてこの館に迷い込み記憶を失った河南の運命とは。前作から12年の歳月を経て発表された集大成的作品。そこには生みの苦しみもあったのだろう。かくいう私も前作から3年の歳月を要してしまった。その気持ちわかる。2024/01/11