内容説明
「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと……」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に〈唐芋〉とさげすまれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である。時は幕末、ふとした機縁で西郷吉之助に見込まれ、国事に奔走するが、卓抜の剣技は血なまぐさい暗殺を重ね、〈人斬り〉の異名は、次第に高まってゆく。激動する時代の中に一快男児熱血の半生を描く、傑作小説の前編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
73
面白かったです。人斬り半次郎こと中村半次郎の生き様を描いた物語の前編になります。貧乏ながら剣の腕は一流というところが恰好良いですね。その腕を西郷どんに認められるくらいですから。人斬りというとどこか影を感じるものですが、半次郎からは陽気で実直な印象を受けました。西南戦争のきっかけになった人物という印象が変わりそうです。激動の時代を熱血に生きた男という魅力にとりつかれました。続きも読みます。2017/07/19
Yasutaka Hori
2
人斬り半次郎こと、中村半次郎。あまり彼を題材にした歴史小説はないのでは?一読書ファンとしての勝手な感想を許してね、という気持ちで言えば、やはり歴史小説としては、司馬遼太郎さんが上か。。。とはいえ、剣豪としても名を馳せた半次郎の青春期を爽快に描いており500ページを超える量をものともしないのも事実。引き続き明治維新期を描く「賊将編」へ!2017/06/02
kimoiue
1
箱根八里の半次郎~♪じゃなくて人斬り半次郎。人を斬る事に溺れず、はァいはァいと可愛い半次郎。 和泉守兼定を手に時代を切り拓く。後半も楽しみだ。2022/01/05
MCH46RR
1
どうしても司馬さんと比べながら読んでしまう。エクスクラメーションの多用もやや興が覚める2014/12/13
きなこ
1
長いなぁ・・と投げ出しかけましたが、どうにか読み終え次の巻へ。2014/10/22