内容説明
浮世絵師歌川国芳と娘登鯉をめぐる人間模様
『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びた新鋭作家の、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第1作。 天保の改革で、贅沢なものが次々と禁止になるさなか、見事な戯画で大人気を博した歌川国芳。ついには国芳も奉行所に呼び出され、顔見知りらしかった遠山の金さんと全面対決へ。さて、その顛末はいかなることに!? 国芳と妙ちきりんな弟子たちとが織りなす浮世模様を、国芳の娘の絵師・登鯉の目から格調高く描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
歌川国芳とその娘が巻き起こす話で、当時の江戸の話としてはかなり破天荒だと感じました。娘の方はあまりに現代的な感じで好きになれるかなあと思われます。遠山金四郎や鳥居耀蔵が出てきて話が発展しそうです。とりあえず全巻を読みとおそうかなあという気がしました。2017/07/15
Willie the Wildcat
84
生業とする”浮世”に流されるも、天性と磨いた技で「心」を描く。個性豊かな面々に囲まれる国芳・登鯉親子を通した江戸の生活、そして時勢を描く本著。印象的なのが、白州で暴れた後に、国芳が新品の赤い鼻緒の下駄をぶっきら棒に登鯉に渡す件。愛情に溢れてるなぁ。背守りなど、”彫り”に関わる多彩な視点も興味深い。思わず苦笑いしたのが、国芳の鼻歌。鯛、鰹、鯨、鰯、赤貝、そして金魚。挙句、鰹節に河豚?!『ニッポンチ』を先に読んで正解という気がした。因みに、次女・お芳が本著に出てこないのは何故だろう。2021/04/26
はつばあば
64
浮世絵と春画が同列だと知ったのは去年の春画展。本当に恥ずかしい程の物知らず。箱入りと無知は同列じゃないかと思ってしまう。奔放な国芳とおきゃんな登鯉親子に江戸の豪快なきらびやかさにメを見張る。時代の移り変わりはどの時代も同じ。治政者によって良くも悪くもなる。岡田屋鉄蔵を教えてもらったお陰でこの国芳と登鯉の物語も味わえた。「春画見たからって世の中が悪くなるものか。まぐあいの面白さも知らないで気の毒なものさ」と。「ひらひら」「大江戸国芳」読まれるなら是非こちらも。2017/07/05
こばまり
52
第一作で止まっていたので、この際シリーズをイッキ読みしようと再読。「重箱の強飯をあけたように口々にわぁわぁわめきながら喜んでいる」。こんな描写に出会うとうれしくなって、通勤電車の中でにやにやしてしまう。2022/02/17
こばまり
43
イイネェ、こうでなくちゃと思わせる躍動感と滑稽味。江戸の暮らしがいきいきと。わたしゃこのお話の中に住んでみたい。歌川国芳いいおとこ。2018/09/14
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