内容説明
中国から共産党の野坂参三が帰国し、食糧メーデーでは参加者が天皇に面会を求めて「米よこせ」と叫び、極東軍事裁判も始まり騒然とした1946年。蘇峰は貴族院議員を辞し、文化勲章も返上して熱海に蟄居、未曾有の敗北の原因を探り、役所や軍の腐敗を厳しく指弾した。勝てば官軍、負ければ賊かと東京裁判に疑問を呈し、昭和天皇の退位が必要と説く。マッカーサーの米国化政策から日本をどう護るべきか、復活の道を探る。
目次
満洲事変以来の成行を考察
悉く共産主義に味方
降伏以来半年、一切が功利一遍に
役所、軍人、そして国民の腐敗
見る影もなき靖国、明治
東亜の指導者など思いもよらぬ日本人
山下大将に武士道の説教が下さるる醜態
日本歴史の書き直し
日本はその独自一己を保持しうるか
紀元節は「嘘の骨頂」か〔ほか〕