内容説明
たまたま見つけた引っ越し先はお寺の境内に建つ小さなマンションだった――。都心部なのに日当たり風通しともに良好、周りはお墓だから静かで緑も多くて環境抜群。こうして始まった著者と子ども三人の「寺暮らし」。東京の古い寺町の四季折々の風景、そしてそこに暮らす人々との出会いとさりげない交流。無駄なく無理なく日々を大切に生きていく。そのことの豊かさを感じさせる傑作エッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
14
お寺の境内にある小さなマンションに引っ越した著者の淡々とした生活を描写したエッセイ。 四季折々の生活とそれを取り巻く住人たちとの触れ合いを描く、時々現れる詩的な言葉にハッとさせられる。 仕事と遊び、運動と付き合い、その場面その場面でいつも一生懸命な森さんの生活が垣間見られる、でも、どことなくほんわかな雰囲気は崩していない、読んでいて心地よいエッセイです。 お寺ぐらしかぁ、静かなんだろうな、と思うが、それでも世間の風は吹く、何処に住むにも大変だ~ 杉田比呂美のイラストが素敵な、心静かになれた一冊です。2016/10/22
すぎえ
6
なにを書いてもさらっとしてからっとしてぱりっとしている雰囲気が文体から伝わってくる地域雑誌『谷根千』編集者の日常をつづったエッセイ。寺暮らしを実際にしている作者。いままでの猛烈に忙しい編集、子育て、書評等々の仕事を寺という浮世離れした暮らしからふっと客観視している感じだった。もちろん実際に寺の境内に暮らしているのですが。一種の潔さと人情が同居している点でとても好感が持てた。2009/12/17
りょう
2
作中に出てくるような身軽な暮らし方をしてみたいなと思えた、下町お寺暮らしの日常エッセイ集。私の暮らしを見て!みたいなところも無く、出てくる人々も互いを尊重しつつ良い距離感を保っているので、素直にこの生活いいなあと思える作品だと思う。 「切りとられたイメージ」は谷根千=下町情緒溢れる街といったイメージがマスメディアによってつけられてしまったことに、地域情報誌の編集者でもある地元民の作者が憤慨する様子が、なかなかコミカルかつ本質を突いてて面白かった。2015/01/02
てくてく
2
購入したマンション暮らしではなかったかと思っていたのだが、お子さんが小さいことから、それよりも前の話なのかもしれない。お寺の敷地内にあるマンションに住み始めた著者一家が、これまでの住まいと比較して住まいや日々の暮らしで大事にすべきことなどについて語っている点が面白かった。ところどころ憤慨しているところも、なんだかおもしろかった。2014/07/19
mame
1
お寺にある借家生活、ちょっと変わってておもしろい。後半は社会派エッセイであまり合わず(河)2023/02/22