内容説明
イタリアや沖縄への旅、妊娠・出産という未知の体験、そして愛するものたちとの別れ――。旅の感触や降り積もる思い出を胸に、家族や友人への愛情と哀惜、自らを取り巻く日本社会の矛盾や違和感について真摯に綴った出産後初のエッセイ集。新たな境地を見せる文章群が、淡く切ない読後感と、小さいけれど確かな勇気を与えてくれる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
56
世界各地に旅に行った時のちょっとした出来事、心持ちなどが書かれていましたが、他にも旅とは関係ない日常のエッセイも書かれていました。 イタリアの話が多かったのや、南米やエジプト、北欧等々にも行かれているようなので、旅好きと思ったら、旅は苦手と書かれていて驚きました。 また、お客として行ったお店でのエッセイで、「人材こそが宝であり、客も人間」という言葉が出てきたエッセイと、最後の「おすし」のエッセイがズシンときました。 上客とはいえないご近所のお婆さんに優しいお店には拍手。美味しくなくても、通いそう。2015/11/01
これでいいのだ@ヘタレ女王
30
ばななさんのエッセイ集。個人的に共感出来る部分と、ちょっと違うな〜という部分があったが 短編ばかりなのでサクサク読めた。 この世の中の どんなことも、いつかは なくなり、どんなに 行きたくても 行けないところになってしまう。だから、この生涯に思い出をいっぱい集めていきたい。という言葉は、そうそう!その通り!と、思った。2014/05/29
寛生
28
【図書館の本】所々大笑いをしたら、吉本隆明のユーモアを思い出した。やはりばななの文体に僕は生命力を感じる。風水から占い、ペット、植物、石の力、愛犬との最後の日々。まるで子供の〈僕〉に語りかける〈母〉のような感覚さえ持つ。ばななのことばによって、渇ききっていた自らのヒューマニティに水がさされるように感じる。「何でもない」ような日常性がこんなにもリアルに生命を帯びてきて、笑ったり泣いたりすること、食べたりすることとはどういうことなのか、と私たち人間の「本能の声」に耳を傾けよと、ばななはいっているのだろう。2013/10/28
AKIKO-WILL
23
よしもとばななさんのエッセイ!人生の旅をゆくとタイトル通り、ばななさんが辿った道を読んでいるみたいで彼女の感じた海外や日本、日常など些細な事もとても興味深く感じました。亀好きなのは変わらないんですね!2014/04/02
すもも
19
初めてばななさんのエッセイを読んだ。共感できるところがたくさんあった。日本の四季のこと、旅行先で体調不良になりしんどかったけど行ってよかった話など。その時その瞬間を生きていこうと思った。2013/06/16