内容説明
こつこつと積み重ねること、ちいさくてもまっすぐな思いを持つこと。それがいつしか壮大な景色になる─。「喪失」と「再生」を経験した著者が、その「かけがえのなさ」を描いた最新エッセイ集。
※ネットで大きな反響を得た秀作「手を動かす」を収載!
*手を動かす
I 私と旅
II 敬意
III いのちをつなぐ
*あとがき
心疲れたひと、仕事や子育てに忙しいひと、気持ちが渇いているひと……。
そんな人たちの憩いの時間を創出する、心震えるエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
69
正直に言うと、ちょっとイライラしてしまった。大好きなはずなのに、どうして私、ちょっとイライラしてるんだろうと思った。読み終わって数日たってから、ふと思った。イライラしたのは、あまりにも率直だからなのではと。こんな書き方をしたら感じ悪いかも、とか、そういうのを通り越したところにある率直さ。ご両親を亡くされてから、たくさんの後悔を乗り越えたぶん、たくさんの気づきに癒されたぶん、きっとばななさんは前よりも強く、前よりも優しくなったのだ。安心してイライラできてしまうほどに、大らかなばななさんになったのだと感じた。2017/11/21
りえこ
23
いつも感じることですが、日々を大切に生きようと思いました。悔いのないように過ごしていらっしゃる姿が書かれていたけど、それでもやはり悔いは残ってしまうものなんだなと思いました。周りの人を大切にしようと思いました。2019/03/16
sayuri
18
「人生の旅をゆく」シリーズ3作目。 1と2は未読ですがエッセイなので3からでも問題なく読めました。 とても解りやすい言葉で、とても穏やかに、とても心に響くメッセージが溢れています。 「Ⅰ 私と旅」 「Ⅱ 経緯」 「Ⅲ いのちをつなぐ」 3つの章で構成されていましたが 「Ⅲ いのちをつなぐ」が一番ジンと来ました。 普段日常生活に追われて忘れがちだけど、本当に大切な事を思い出させてくれる優しいエッセイ集です。2018/03/19
aloha0307
18
たくさんの想い出とともに、しなやか・高潔に「人生の旅をゆく」ばななさん。対談したダライ・ラマ師が言われたとおり、「嬉しさ、悲しさ、切なさ いろいろな気持ちを味わいました。」水谷豊さんの はーばーらいと♪登場には驚いた。実は私の大好きな曲&カラオケ18番(どうでもいいか 苦笑)。若い頃のある時期だけにあった懐かしい感傷が確かにあった。”薔薇の花びら噛むと恋が叶うって...”♪ じんわりくるなあ2017/10/08
Mayu
14
吉本さんのエッセイというのは初めて読んだと思いますが、とてもピュアな感性をお持ちの方なんだなぁと思いました。特に、初恋のエピソードで出てくる大島弓子さんの作品の言葉がとても印象的でした。あまり自分が知らなかった文化人の方が沢山出てきて、いちいち調べながら読んでいたので、新しいことに興味を持つきっかけにもなりました。小沢健二さんや、カートコパーンの話を読むことになるとは思いませんでしたが、久しぶりに聴いてみようかなという気持ちに。この本はシリーズ3冊目みたいですから、他のも読んでみたいです。2018/09/30