アメリカのデモクラシー 〈第1巻 下〉

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アメリカのデモクラシー 〈第1巻 下〉

  • ISBN:9784003400937

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

97
第1巻の後半です。この後半は上巻が制度的な分析であったのに対して、合衆国での民主主義と政治についての基本的な考え方が示されています。合衆国を支えている民主主義というものが政治のあらゆる場面において顔をのぞかせています。トクヴィルはそれを環境、習俗、法律といった三つの要因があると述べています。また最後には書評を書かれている皆さんも指摘しているように将来の二大大国の確執を予想しています。2015/12/01

ころこ

39
アメリカ社会の特徴をヨーロッパとの比較から分析すると、スマートな熟議とは別のものが見出される。ある種の喧騒に巻き込まれ、至るところで喧々諤々の声が上がる。巧妙なレトリックではない、不格好でも各々の生活実感からの無数の声が同時に、その一つ一つが何らかの社会的要求を訴えている。これらの声は熟議でイメージされるように収斂していかない。何らかの決定がなされ、権力の行使が行われてもこれらの声が止みはしない。いずれ権力の交代が起こり、別の権力行使によってその声が掬い取られる。これがアメリカにおける民主主義の形だろう。2024/05/11

ロビン

17
民主主義における多数の専制の危険や、法曹族のもつ権力、陪審員制度の社会的な効力、先住民族に対する入植者たちの無慈悲な仕打ち、奴隷問題とその弊害、南部と北部の違い、連邦制が今後も存続するか否か―州単位の独立国が発生するか否かなどを論じる。トクヴィルは北アメリカほどの大所帯が今後も一つの国家として存続していくとは考えていなかったようだし、奴隷による反乱も起きると思っていた。南北戦争こそ起こったが、まさかキング牧師の様な黒人指導者が出てくるとは想像しなかったであろう。新しい歴史は、現実主義者からは生まれない。2025/04/25

はとむぎ

14
19世紀 フランスの哲学者トクヴィルがアメリカ民主主義の発展を観察、その本質を考察した記録。自由を尊び、皆平等(白人間)の精神でルールを決め、州を作り連邦を作った。何事も主体的に万人がリーダーシップを発揮しながら多数派の意見が尊重され、アメリカ合衆国が形づくられた事がわかる。現在もその精神は残っているのだろう。かなり読み応えありました。2022/04/03

ヒロキです

14
内容としては、前半はデモクラシーについてが多く共産主義の中国とアメリカ、そして日本の対比が出来た。トクヴィルのデモクラシー理論では、特にデモクラシー下での投票は段々被選挙人の質を堕落させているという理論は興味深い考えであったと思った。 後半からは、アメリカ内部について黒人白人を中心に据えながら時代的な多少の偏見「キリスト教至上主義、多少黒人を劣等と見る西洋優越観」があったが、その後の南北戦争を予見した描写は素晴らしいと思った。後の米ソ対立を示唆していたことも とても心揺さぶられたものであった。2020/01/26

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