内容説明
王都守備隊“九尾の猫”に入隊した少年サキ。他人に心を開かないサキだが、任務を通じ知り合った少女イーファとはうち解けていた。そんなある日、イーファに隣国の大使と夜を共にし情報を引き出すという任務が下るが
目次
闇隊士の少女イーファは、震える指でゆっくりと薄絹の留め紐を解いた。(サキ…きれいな体のうちに、もう一度だけ逢いたかった)薄明かりの中、男―隣国の大使―が息を荒くする。汗ばんだ手が、少女の着衣を剥ぎ取り、その肌に指を這わせる。(サキ…サキ…サキ…)“邪妖”に憑かれた少年サキ。ギュッと目を閉じ、少年の名を呼び続ける少女。同じ頃、九尾の猫の隊長アランは、元巫女の少女リネットを質していた。「お前はやはり、私に“破壊者”であるサキを殺せと命じるのか?」妖しさを増す戦乱群像劇。第二弾、登場。