内容説明
廃墟から一致団結して抜け出した八人の戦災孤児たち。それぞれの道に進むが、唯一心をつなぎ支える子連れ未亡人「お母さん」の存在。その彼女も豊かさの代償に抜き差しならぬ事態に…。戦後日本の復興と精神を奮闘する孤児たちに託して描く、半村良畢生の感動大作ここに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フミ
18
玉音放送の日に知り合った戦災孤児8人が、助けた母子や特攻隊員だったアニキ等と共に、戦後の時代を成り上がっていく~という小説、下巻です。755頁という厚さですが、会話メインの作風で驚くほど早く読み終えれました。 物語そのものは、中盤まで順風満帆すぎて、物足りないかもしれませんが、会話のやり取りに「あの戦争を経験した」重さを感じさせてくれる、元・孤児たちの人情、特攻のアニキのハードボイルドさなど、しんみりと楽しませて貰える良作でした。昭和30年代になっても「仲間」として変わらず居られる…夢のような関係だなぁ。2025/08/30
りょうけん
13
<晴> 別にとりたててどこがどう面白い,という様な作品ではないのだろう。でも主人公の子供たちが成人してゆく頃に僕自身も生まれたの(昭和34年)だなぁと思うと色いろ興味は沸いて来る。 当時の東京の暮らし,この下巻では特に銀座界隈の様子が手に取るように分かる。四国徳島の田舎で生まれ育った僕は,こういう本を読まない事には永遠に分からなかった事だろう。エンタテインメント小説ではないがとても面白い作品です。 2023/07/14
さいちゃん
7
上巻に引き続き、下巻も読みごたえたっぷりでした。やはり内容はすばらしく、飽きることなく読めます。あれこれいろんなことをやりながら読んでいたので、数日間読めない日もありましたが、内容が薄れることなく、しっかり頭の中に入ってました。子供たちの成長や生き様が、時とともに変化しながらも、大切なことを忘れることなく前を向いて生きている様は、キラキラと輝いてました。2013/08/31
tak
5
なかなか読み応え有り。がむしゃらに生きた、孤児たちのダイナミックな様は、清々しい。映画化するなら、キャストに悩むかな。戦争の清算の仕方は著者らしかったね。2013/12/10
izumone
3
毎年八月になると読み返したくなる。何年かおきに読み返す。そのたびに泣いてしまう。「嘘屋」の作者が,戦争でひどい目に遭った同世代に,物語の中だけでも「いい目」を見させてやろうと腕によりをかけた手向けの一話・・・そんな思いで,ただ作中世界に浸らせてもらう。2018/08/25
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