内容説明
生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。〈語り部〉たちが島々を巡り集めた物語を語り明かすため、年に一度、冬至の晩に開かれる煌夜祭(こうやさい)。今年もまた、〈語り部〉が語り始める。人を喰らう恐ろしくも美しい魔物の物語を。夜が更けるにつれ、物語は秘められた闇へ……。第2回C★NOVELS大賞受賞作に書き下ろし短篇「遍歴(ピルグリム)」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
178
読メ登録以降の初読みの作家です。ファンタジー分野の得意な作家だと認識してたので物語世界に没入することができました、語り部の噤むストーリーは島々を巡り集めた悍ましくも悲しいストーリー徐々に明かされる登場人物に寄り添い読み進めると魔物である王子であったりそれを支え付き従え愚直に邁進することで(コレは愛の為せるためなのか!)冬至には魔が蔓延る日でもありそして夜明けと共に新たな未来に希望を見出す事ができるのだからである。ファンタジーにあるダークな異世界に没入させてくれた多崎氏をお気に入りの作家に🤩🤩2021/10/10
KAN
147
言葉がないです。読み終わって直ぐに、再読していまいました。良すぎました。最終的に全て繋がり、謎も解けます。不要な描写も言葉も全くありません。哀しいのですが希望あるラスト。これしかないんですね。暫く、夢にまで出て来そうです。2014/12/07
モルク
142
おおっ!これは…。圧倒される世界観、すごく好みの世界が拡がる。冬至の夜語り部によって語られるひとつひとつの話が壮大なロマンに重なっていく。多少、登場人物に分かりにくさはあるが、それ以上に引き込まれ抜け出せない。周期的にまわる18諸島からなる島々、そこは魔物が住む世界。焚き火の脇で夜通し語られる物語、そして語り部の仮面の中に潜む者は…。最後までワクワクして読んだ。また必ずじっくりと再読することを誓う。2018/10/03
ミュポトワ@猫mode
113
これも読友さんのおすすめ本。哀しい、でもハッピーエンドの上質のファンタジー。超絶に面白かった。色々と複雑な感じに仕上がってはいますが、何せ面白すぎる。しかも俺の好きなハッピーエンド。こんな本、久しく読んでなかった。作家買いしそうだわ、これも。しかもこれがデビュー作って言うんだから、期待しかない。もう、面白い。それしか俺の貧弱な語彙では表現できないほど、面白い。最高でした♪2024/06/25
財布にジャック
112
わぁ~、こういうファンタジーは大好きです。多崎さん初読みですが、素敵な小説に出会えてとっても得した気分です。早速回りの友人達に紹介したくなりました。注意深く読まないと、誰が誰やら頭がクエスチョンマークだらけになりますが、まず1回目はこの世界の雰囲気に酔わされるのでそれだけを楽しみ、2回目読み返して、絡み合った糸を解けば良いのではと開き直って読んだのが良かったようです。そして、魔法にかけられたように何度も読み返してしまいそうで怖いです。間違いなく傑作です。2013/11/13
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