内容説明
江戸の町医者の内弟子だった啓順は、師匠にたてつき破門。博奕場に出入りするようになったころ、浄瑠璃語りの娘と男が殺される。殺された男の父親、江戸の顔役・聖天松と悶着があった啓順に殺しの疑いがかかってしまう。聖天松の追っ手から逃れつつ、疑いを晴らすべく、真犯人を探す義理と人情の時代小説。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
50
面白かったです。殺人の容疑をかけられた町医者・啓順。追手から逃れるように旅に出るものの、職業柄か、病人がいれば診てしまうため、追手に気づかれるという展開はお決まりなんでしょうか。でも、義理と人情ありの江戸時代を味わうのは悪くありません。2020/11/12
goro@一箱古本市5/5
40
股旅物が続いてまして今回はこちら。元医者であり訳ありの啓次郎の逃亡劇だが、恩ある伊予守の依頼を断り切れずやってもいない人殺しの罪を着せられてしまう。息子を殺された火消し頭取の聖天松五郎からも追われる身となりながら、人が良いのか病人を放っておけない。急ぎたいのに行く先々で巻き込まれてしまう。最悪の展開にどうする啓次郎というところで次巻へ。佐藤雅美面白い。2025/04/16
マッピー
14
無宿の渡世人と言えば木枯らし紋次郎。 「あっしには関わりのないことでござんす」←古い? 啓順もできれば誰にも関わらず、ひっそりと身を隠していたいのだが、なぜか啓順のいくところ、病人やけが人が出てしまうのである。啓順はかつて、江戸で有名な町医者の内弟子だった。素人離れした薬の調合からいつも居場所が追っ手にばれてしまい、間一髪で切り抜ける。そんな短編集。ロードムービーのように次々と変わる舞台。少しだけ真実が明らかになったところで、いったん話は終了。まるでテレビの連続ドラマのように、いいところで「つづく」。2018/01/24
せぴあ
13
面白くって、一気読みしてしまった。啓順が聖天松にしつこく狙われているのが、なんとも理不尽で早く真犯人が見つかって、疑いが晴れないかと読み進めたが、啓順にとって酷な終わり方だった。でもまだ続きがあるらしいので、早く読みたいな。2014/11/30
icchiy
10
佐藤雅美先生作品二冊目。今回は医者崩れの渡世人のロードムービー風物語。これは面白かったです。何しろ凄腕の医者が何故か罪をかぶせられて全国を逃げ回る兇状旅。簡単には逃げられず、医者として病人はほっておけずで病人を治療したばかりに追っ手に気付かれてしまうお約束のような展開。でもそこを巡るストーリーは人情あり、江戸時代の医学あり、土地土地の風習あり、と楽しすぎる事柄を知ることができて飽きません。続編もあるようなので是非続きを読みたい。2020/04/02
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