生麦事件(下)

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生麦事件(下)

  • 著者名:吉村昭【著】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • 新潮社(2013/03発売)
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  • ISBN:9784101117430

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内容説明

生麦村でのイギリス人殺傷事件から十カ月……イギリスは艦隊を鹿児島湾に派遣し戦闘の火蓋が落とされる。勝敗は明白と思われたが、艦長の戦死などイギリス軍は甚大な被害を受け、国内外の世論の批判にも晒された。一方、世界の技術力を身をもって知った薩摩藩は講和を決断するが、そこにはある目論見があった──。幕府、薩長は、「攘夷から開国へ」という歴史の潮目をどう読んだのか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

125
明治維新。攘夷から公武合体と国論が揺れる中、開国及び倒幕を推進したのは薩摩と長州だった。元は開国ではない薩長。彼等は薩英戦争と下関戦争で、現時点での攘夷の無謀を知る。兵器、テクノロジーの差は精神論での攘夷では立ち打ち出来なかった。薩摩とイギリスを中心とした莫大な兵器の買付と訓練。それは第二次長州征伐、鳥羽伏見の戦いでの幕府への勝利に繋がる。改めて、世界を動かすのはテクノロジーと知る。元は欧米列強の砲艦外交で始まった幕末の動乱。開国と維新。それは武力で脅され、武力で成された。今も変わらぬ力の論理を見る作品。2021/09/26

ケンイチミズバ

112
狭い海峡に速い流れ、点在する浅瀬など地の利があり天と地ほどの軍備の差も実戦ではさほどでもない。長州は一方的にやられはしたが、薩摩は五分五分でした。が、藩内の強硬な攘夷派が考え方を改めるには十分な敗戦で久光の考えが正しかったと藩がまとまる。和議の席上、英国側に対し貴国のような戦艦が欲しい、購入を斡旋して欲しいと今後のビジネスを持ちかける薩摩の頭脳明晰な動きに感動する。砲術指南役の具申に憤り必要な人材を暗殺してしまう長州のバカっぷり、教訓をすぐに活かそうと動く薩摩の素晴らしさ、この二藩が手を結ぶ歴史が面白い。2018/07/13

読特

75
薩英戦争に下関砲撃。雄藩と列強。勝ったものと負けたもの。けんかして仲直りして、親交を深める。思想と武器。古いものを捨て、新しいものを取り入れる。変化を受け入れるもの、拒否するもの。物語は倒幕まで続く。記録を掘り起こすような淡々とした文体の中に臨場感を見出す。西郷隆盛、大久保利通、大村益次郎、木戸孝允、高杉晋作、そして、坂本龍馬。ヒーローたちが登場するが長くは叙述されない。歴史の主役は一人ではない。愚かさあり、英断ありで時代は明治へと移り変わる。そして今へと続く。ありがちな歴史ドラマとは違う世界観を味わう。2022/10/04

金吾

68
薩英戦争はなかなか迫力がありました。薩摩や長州の攘夷を主張しながらも、実際戦ってことで力の差を認識し、英国を利用するように舵を切り直す柔軟性が維新を呼び込んだことがよくわかります。今の時代の参考になるのではないかと思いました。2025/03/14

大阪魂

55
薩英戦争、英米仏露連合艦隊の長州攻撃、攘夷を振りかざしてた薩摩も長州も外国の大砲とか銃とか伏射する戦闘法とかに攘夷論の馬鹿らしさを理解、大転換して貿易による富国強兵に走り出しそのまま討幕まで進んでったって流れをむっちゃわかりやすくかいてくれてはった!おかげでバクっとしか知らんかった幕末維新の動き、はじめて理解できた気する!でもやっぱ歴史を動かすだけの人材がいてたんが薩摩長州土佐強みやねー、英国との和議=開国に舵を切らせた久光もすごかったけど大久保、西郷、五代、桂、井上、竜馬って面々、柔軟な思考大事やね!2024/08/03

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