中公新書<br> 太平記 鎮魂と救済の史書

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中公新書
太平記 鎮魂と救済の史書

  • 著者名:松尾剛次【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 中央公論新社(2013/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121016089

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内容説明

足利尊氏や新田義貞、楠木正成ら名だたる部将が活躍する『太平記』。しかしこの名高い戦記物がめざしたのは、英雄譚と言うよりも、南北朝動乱を生きた、名もなき人々への鎮魂と救済ではなかったか。怨霊の跋扈する、不条理にも見える物語世界が内包する『太平記』の精神とは。また、登場人物たちの体現する儒教的道義論や因果応報論が担ったものとは何なのか。単なる戦記物の枠を超えた『太平記』の世界への招待。

目次

第1章 後醍醐天皇の物語としての『太平記』(三部構成のあらまし 物語を貫く主人公とは ほか)
第2章 登場人物から読む『太平記』(楠木正成 新田義貞 ほか)
第3章 『太平記』の思想(第一部の思想 第二部の思想 ほか)
第4章 『太平記』の作者と作品論(『難太平記』にみる『太平記』の作成過程 恵鎮の履歴(官僧から遁世僧へ) ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

C-biscuit

12
図書館から借りる。太平記のことがわからなかったので、とりあえず読んでみたが、この本はある程度太平記のことを知った上で読むと読み応えがある本であると感じる。逆に言うと初心者には難しいw。自分の理解は著書にある通り、死後も怨霊として登場する後醍醐天皇の物語で、そのような宗教的要素もある一方で、室町幕府の史書の様相もあり、幕府の力により、書き換えられている部分もあるとの解釈である。いずれにせよ、物語としては、有名で面白いのであろうが、残念ながら、歴史的価値は正確性などの点から少し低い扱いを受けているようである。2015/11/18

4
『太平記』の内容のダイジェストや、時代背景の解説を期待して読んだらがっかりするかも? 前半は後醍醐天皇をはじめ、怨霊として登場する人たち、怨霊に怯えて鎮魂する人たちのエピソードを列挙する形で『太平記』を戦乱で死んでいった人々への鎮魂の書物だったと説明。仏教的因果論と儒教的道議論が併存し、相互に補強していると読み解きます。後半は一転、『太平記』の成立に関する考察で、著者が本当に書きたかったテーマはこちらだったようであります。『太平記』のエピソードを楽しむ本ではございませんので、その点には御注意を。星4つ。 2021/01/06

いきもの

2
敗者の怨霊の鎮魂、平和の希求の書として太平記を読み解いていく。後醍醐帝を中心とした怨霊と化した太平記の主人公たち、そして太平記の儒教的側面と仏教的側面を分析し、律宗の遁世僧教団を筆者と推測して読み解いていく。南北朝の歴書というよりは、太平記の書かれた側面、背景についての本。2016/01/18

yozora

2
太平記もろくに知らないが読んでみた。太平記は第三部構成で、それぞれ儒教的道義論と仏教的因果論が補完する関係で成り立っているという。また太平記は南北朝の動乱で死んだ者たちへの鎮魂書でもある、というのは死んで怨霊となったものは彼らの活躍や恨みの要因を記され他者に知られることで鎮まるから、だそうだ。そういった視点で見る太平記の思想、著者、世界観。この本も一義的なものに過ぎないとは思うものの、すらすらさらりと興味深く読めました。2011/01/18

たかし

0
吉川英治の私本太平記の予習として読んでみた。太平記のあらすじ的なモノを知りたいという思いで手に取ったが、怨霊とか仏教の話はかりである。求めていたのと違うなー、と斜め読みしてしまった。2015/12/26

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