内容説明
第二次世界大戦は、連合国側による反抗へと戦局が転換していた。ドイツ、イタリア、日本は守勢にまわり始め、スターリングラードの攻防戦で形勢は完全に逆転した。シシリー征服からイタリア進攻、テヘラン会談。そして一九四四年六月六日、ついに史上最大の作戦「ノルマンディー上陸」が開始された。翌年五月、チャーチルはドイツの無条件降伏を発表した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あんさん
9
英米ソはしばしば会談を持つ中で、スターリンの領土的野心が明らかになっていく。英米軍はノルマンディー上陸作戦に成功。ロシア軍はポーランド侵攻。日本はインパール戦に敗北。レイテ湾でも敗れ南シナ海の輸送路を失う。ソ連の占領区域には鉄のカーテン。トルーマンは原子爆弾を日本に投下。チャーチルはサムライのプライドを保ちつつ日本軍が降伏する理由になり、ソ連の参戦も不要と考えたが、ソ連は日本降伏直前に宣戦。第三次世界大戦への危機感。人類は土地や領土というものから自由になれるのはいつだろう。火星への移住実現後だろうか?2025/10/11
ああああ
6
第二次世界大戦を知るうえでとても重要な本、なんでしょうね。戦争時の指導者はこんなこと考えてたのかという読み物としても。あと、やはり兵隊なり物資なりの「輸送」はホントに大事なんだなあ~。【以下ネタバレ】と言うよりもただの事実なんだけど、最終的に勝利を得て英雄視されるかと思いきや、戦後の交渉が始まったその時に選挙に負けちゃってクビってオチが笑える。イギリス国民と議会はなんだかおもしろいなあ2014/08/25
NoDurians
6
歴史とは多面的に見なければならないものであるとの思いを改めて抱いた。「原子爆弾」の章で描かれる原子爆弾誕生の意味の冷静な分析は日本人ではなかなか抱けないものだ。でも、本土決戦が行われた場合に起こったであろう『無謀な抵抗』というのは想像がつく。敗者は冷静さを、勝者は謙虚さを持って歴史を語らなければ進歩がないであろう。全4巻は大部でほぼ毎日読み続けたのに2か月もかかった。でも、読む価値がある本だと思う。4巻を通して感じるのは(当時の)イギリスにおける議会と王室の重み。チャーチルは不世出の政治家だということ。2011/05/22
Char
5
ここ数ヶ月間かかってようやく読み終わった超大作。著者はご存じ第二次世界大戦の連合国側を主導したイギリス首相チャーチル。指揮官の更迭の背景や、スターリンとの衝突、ルーズベルトとの蜜月の関係から意見衝突まで、なかなか書きにくいことも表現をしっかり選びながら明らかにしていきながら、ただの戦争記録にとどまらない秀逸な表現力は、さすがノーベル文学賞受賞者です。 ヨーロッパの戦史や戦後の冷戦に至る世界秩序形成のプロセスや、ヨーロッパから見た太平洋戦争もこうやって見えていたんだとか、大変興味深かったです。2014/09/20
Hiroshi Irie
5
原子爆弾がチャーチルから見れば一つの過程に過ぎず印象的。 赤ん坊は滞りなく生まれたなんて。兵器の威力は拡大し、絶滅戦争を止めるのは、理性。感情を抑え込み兵器を管理する心と。意思の機会均等を与える事がその秩序を生み出すのなら、インターネットの役割は今や大きいと感じた。 ヒトラー、トルーマン、ムッソリーニの最後などいうのはそれぞれ印象的。 全体を通してチャーチルの感情的な発言はなく、歓喜すらない。そんな冷静にみた人物なんだなと改めて思う。2014/09/05
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