内容説明
ソ連の参戦は連合国側には歓迎すべきことだったが、強力なドイツ軍を相手に、その抵抗力は充分とは言えなかった。一九四一年十二月、日本の真珠湾奇襲攻撃によってついにアメリカが参戦に踏み切り、戦線は欧州から一挙にアジア太平洋地域へと拡大した。枢軸側の猛攻に連合国側は苦戦を強いられたが、カサブランカ会議やカイロ会談など反抗の準備が始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
10
【大西洋憲章】ジョンソン英首相とバイデン米大統領が「新大西洋憲章」を出したというニュースに接し、大西洋憲章について確認したくて再読。本棚を捜したら1984年刊行の河出文庫版あり。本をとっておいてよかった。チャーチルとルーズベルトの憲章は1941年8月12日付け。ドイツはソ連に侵攻、アメリカはまだ参戦していない。憲章は「ナチ圧制の最終的壊滅後」の自由主義に基づく世界秩序をうちだしている。80年後の新宣言はあらためて「民主主義と開かれた社会」の重要性を強調している。歴史の流れについて考えさせられる。2021/06/12
うた
5
日米間で語られることが多い真珠湾奇襲だが、世界の戦線をひっくり返す、まさしく歴史の転換点だった。日本「米国も戦争が長引けば妥協するだろう。戦線拡大だ!」米「徹底抗戦だ!」英「これで米国が本格参戦する!勝った!」独伊「唖然。何してくれてんの」。シンガポールを落として破竹の勢いだった日本も、余計な拡大路線と米国への過小評価で、一気に力を落としていくわけか。2024/09/18
ブラックジャケット
5
日本軍の真珠湾奇襲攻撃で、ついにアメリカの参戦となる。シンガポール、香港と陥落、戦艦、巡洋艦も海の藻屑となりチャーチルの心痛は極限に至るが、アメリカの参戦が彼を勇気づける。現在進行形の戦争は全体戦争である。巨大な工業力、人的資源、世界の水準から突出した巨人が、同じ政治理念で結ばれた優れた指導者に率いられている。チャーチルのアメリカに対する信頼はゆるぎない。その生命線を襲うUボートの跳梁に歯噛みする。全体戦争を支える補給ルートの確保が勝負の分かれ目。これも補給を軽視する日本軍の前近代性が浮かび上がる。 2017/12/05
kanaoka 58
3
チャーチルの八面六臂の活躍?! 数多くの力を持つ者と、交歓する。考え、意見を述べ、議論を交わす。交渉し、調整し、役割を決める。信頼し、責任を果たす。 当時の日本では、全く機能していなかった。負けるべくして負けた戦争。2021/08/16
Hiroshi Irie
3
2巻が単独なら、3巻は協力な連合。アメリカ、ソ連が本格的にイギリスとの共同作戦をとり始め形勢が有利に傾き始める。ドイツとは主にロンメル将軍との攻防、また日本のミッドウェイ海戦の戦いも詳しく記載され、情報がばれると如何に叩き潰されるかを感じる。 しかし戦線を拡大させた最大期の日本の領土範囲も凄まじい。ミッドウェイはハワイを攻略するポイントとして狙ったと初めて知った。 ロンメルとチャーチルはお互いに戦いながらある意味認め合っている部分も感る。 原子爆弾を門菅合金(チューブアロイ)として暗号化し米英で協議開始。2014/03/01
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