内容説明
竹の中から生まれて翁に育てられた少女が、五人の求婚者を退けて月の世界へ帰っていく伝奇小説。かぐや姫のお話として親しまれる日本最古の物語。第一人者による最新の研究の成果。豊富な資料・索引付き。
目次
本文（現代語訳）（かぐや姫の生ひ立ち 貴公子たちの求婚 五つの難題―仏の御石の鉢 蓬莱の珠の枝 火鼠の皮衣 ほか）
解説（物語文学の誕生 構成と内容 成立の問題 表現の新しい試み 伝承性と想像力 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あーさん☆来年も！断捨離！約8000冊をメルカリでちびちび売り出し中！(｀･ω･´)ゞ
44
教科書より詳しい。2018/03/26
放蕩長男
6
日本最古の物語、竹取物語を読んでみました。中学生のころ、国語の教科書に登場した竹取物語は、当然ですがほんの一部にしか過ぎないのですね。五つの難題の下りは、初めて読みました。男どもの馬鹿さ加減と、かぐや姫の悪女ぶりが印象的です。こんな話だったのですね。現代語訳も付いていて、非常に読みやすかったです。古典の勉強、これを丸ごと題材にすればいいのに。2016/04/29
シャンピニオン
4
今も残る日本最古の物語。５人の貴人をたぶらかす美女、滑稽に描かれる貴人たち。年老いた親に心優しい娘。やはり帝は別格。だが添えないわけがある。月に帰る。罪をおかしてこの星に。羽衣を着ると記憶がなくなる。富士の煙は今も月に向かっている。 不思議な、不思議なお話。本当にあったんじゃない。なんて思ってしまう。2022/08/24
gongxia
4
かぐや姫って、実は月界での罪人だったと知っていましたか？かぐや姫って実は、すごく性格悪いって知っていましたか？かぐや姫の真相をつきとめることができる一冊です♪2013/12/29
小説大好き
3
2001年初版発行とあるので、情報として古いかもしれませんが、解説と参考文献が非常に充実しており、作品理解の助けになると思いました。『竹取物語』は9世紀当時としてはとても特異な物語だと思っています。まず、竹取の翁という平民の視点から始まり、天皇より上の天人の登場に至るという、身分を順に上がっていく物語構造が面白いです。しかし、天人は神かといえばそんなことはなく、彼らの不死性は薬というガジェットを由来としており、この点が日本最古のSFとしての解釈を許しています。その薬を富士山で燃やす終わり方もまた秀逸です。2025/11/27
