内容説明
日本人の行動原理は、いかにして確立したのか?本書では近代国家意識が誕生した鎌倉時代、南北朝を経て、日本的美意識の成立した室町時代までの疑問を解き明かす。世阿弥の『風姿花伝』に見る“早期教育の是非”も必読の、歴史の面白さを復活させた珠玉シリーズ第三弾!
目次
1章 鎌倉幕府 近代国家意識の誕生―元寇が促した「一所懸命」からの脱却(「善政」は万能ならず―北条一門の破滅 初の国難・元寇―勝者の悲劇 楠木正成―日本型「大義名分」の発明)<br/>2章 南北朝 正統とは何か―日本的「中華思想」によって起きた国家統合の戦争(私情に基づく「皇統」の分裂 後醍醐天皇―正統絶対主義者の功罪 日本史のキーワード「錦の御旗」と「七生報国」 正統論からの脱却―楠木正儀の現実主義)<br/>3章 室町幕府 日本的美意識の成立―政治的天才・義満と政治的孤立者・義政の遺したもの(政治手段としての「カミ」と「ホトケ」 倭寇―海外進出の基本的“行動様式” 『風姿花伝』―世界に冠たる教育論の誕生 “美”のクリエイター・足利義政の天才)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
○日本人の特性がこの時期にかなり作り込まれてきたと感じます。統一をただと思っているという話は納得できるものでした。たいした人物ではないと感じていた足利義満の功績がオカルトという思ってもいない方向からアプローチされたのは面白かったです。また日本共産党の夜郎自大な話は微笑ましいものを感じました。2022/05/12
takam
7
鎌倉時代から室町時代にかけて日本人や政府はどのような行動規範で行動していたかを説明する。私が面白く感じたのは、一所懸命に元寇に挑み勝っても恩賞で御家人を報うことができず、それが鎌倉時代を崩壊させる原動力になったこと。また、鎌倉時代が終わり建武の新政が始まり、初めて一所懸命ではなく尊王攘夷を思想として持つ武士である楠木正成の登場したことの衝撃をこの本から読み取った。また、これまでの日本が民族間やイデオロギーで深刻な対立を生まずに、天皇陛下による国の統合がかなり長い期間も機能していることに畏怖を感じる。2019/05/14
ゆうぼう
3
やっぱりこの辺の歴史には興味を惹かれない。何故だろう?ま、一応読み終わりました。次は昭和編ですね。ここには食いつく所満載だと思っていますが・・・。どうなんでしょうねえ。ところで、お盆過ぎから天候が悪く鮎はどこへ行ってしまったのでしょう?雨模様になってから川が荒れて苔の上に土砂が堆積し彼らが住める状態にないそうで(師匠曰く)。多摩川の遊漁券の期間が10月の中で終了する。もう今年は釣れないかもしれない。残念。来年以降もずっと川遊びは続けようと思います。本牧と多摩川で週末を過ごすことが多いが、サバが、サバが。2016/09/28
脳疣沼
2
雑誌に連載していたものをまとめた本である。マネジメント・ガイドという雑誌がどんな雑誌か知らないが、後半がビジネス書のようになっているのが面白い。しかし、全体を通して、谷沢永一の解説にあるように、とてもコンパクトにまとまっており、また軽い文体で分かりやすい。歴史に疎い人はこういう本から読み始めれば良いと思う。2014/10/03
出世八五郎
1
この人の本はスラスラ読める不思議。それは私が日本人であり保守でありナショナリストだからかな。危険だぬ。