内容説明
父親の遺した店を再建するため、彼女は一年だけの結婚に同意した。■亡き父親の店を再建するため、ケイトは資金集めに奔走していた。しかし、どうあがいてもめどが立ちそうにない。半ば諦めかけていたとき、新聞で願ってもない記事を読んだ。超一流企業の最高経営責任者ウィリアム・ハーディソンが、中小企業向けの融資事業を計画しているという。さっそくウィリアムのオフィスを訪れて頼み込んだものの、まったく相手にしてもらえず、ケイトはひどく落胆する。すると、ウィリアムの口からとんでもない言葉が発せられ、ケイトは一瞬、息が止まった。早く結婚しろとうるさい母親を黙らせたいから、一年だけの結婚に同意すれば資金を提供しようというのだ。さんざん悩んだ末、ケイトはウィリアムの提案を受け入れる。寝室は別々で夫婦関係はなし、という条件で。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
9
自分を散々侮辱したヒーローの母にも精一杯息子を思う気持ちがあると感じ取り、ヒーローに対して「お母様のことを悪く言わないで!」と怒り出すヒロインの優しさにぐっとくる。父の残したダイナーを建て直そうと頑張る姿も。こういうヒロインだからこそ母を含めて打算的な女性にうんざりしている孤独なヒーローの心をほぐしてくれるのだと思う。どうみてもヒロインにぞっこんなのに気づかないヒーロー。疑い深い彼が実は心から愛することができる女性を追い求めていたのだと分かるので、終盤の行き違いは切なかった。これはお気に入りになりそう。2015/01/27
akiyuki_1717
1
ヒロインの短気さに読む気が失せそうにったけど、ヒーローの明らかなゾッコンな行動で持ち直した。ヒロインは直向きだけど堅物で、自分に優位な契約を結んだのに、何をしてもらうにもヒーローがお金を使うと文句ばかりだし。設定ではお金には無頓着だったはずだけど…ヒーローの母への気遣いには好感を持てた。ヒーローの勘違いぶりにはオイオイと思ったけど、それに対して、ヒロインが最後に爆弾を落としたときは気持ちが良かった。でもやっぱり契約書を破いたり、酒をワザと服にこぼすヒロインが嫌味を言われて黙って姿を消すのは矛盾を感じる。2017/04/27