内容説明
「関八州取締役・遠山銀五郎と妖術使い」の大伝奇小説
『甲賀忍法帖』『魔界転生』等の忍法帖で一大ブームを巻き起こした著者の集大成ともいうべき一冊。徳川幕府最後の改革が行われた天保年間、関八州取締役に任ぜられた北町奉行子息・遠山銀五郎はお燿と共に坂東一円の博徒の鎮圧に乗り出す。「人間が人間らしく生きるには乱世においてこそ……」とうそぶく、謎の美怪童・南無扇子丸の妖術に配下の剣客が次々とはまり、遂には任侠もはまり、魔人と化す。銀五郎の革命はなるのか? そして恋の行方は?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
12
古本屋で嬉しい50円。古本屋と言えば最近のブックオフ仕様と従来の古本屋は概念として別物であることに気がつく。昔のやつは古書店とか適当な名称を付けないと神田の文化が忘却されるかも知れない。コメントは下巻にて。といいたいが、今のところAmazonにも在庫無しらしい!「利根の川風袂に入れて〜」天保水滸伝。時代背景はこれです。渡世人オールスターズですな。2014/08/27
hirayama46
4
時代は天保の改革のころなので、幕末のちょっと前というくらいかしら。16人の剣豪がタイマンバトルをしたり、謎の妖術使いが現れたりという仕込みの上巻。2020/04/22
maimai
1
本棚で埃をかぶっていた1974年初版の一巻本(講談社)で読んだ。前半は大風呂敷が広がりまくって風太郎キターッ!!。風太郎の明治小説的歴史上の人物総出演の楽しさと、それらの実在の人物による忍法帖的超荒唐無稽的展開との混淆で、胸躍る展開。しかしさすがの山風も、史実との、ギリギリ最後の部分での整合は確保しないとまずいと思ったようで、その辺が命取り。無理矢理ああいう結末を付けざるを得なかった。でも、まあ楽しかったよ。2012/10/08
ベック
1
忍法帖をすべて読み終わった風太郎ファンには素敵な贈り物でした。
しじみのたわごと
0
山田風太郎でまだ読んでいなかった作品。電子書籍で読めることを知って購入。魔界転生や忍びの卍に近い雰囲気ながら、どうも雲行きが怪しい。主人公カップルもトリックスターの南無扇子丸も絶対碌な終わりを迎えられなさそうな気配が犇犇としていてワクワクする。2021/12/02