内容説明
「関八州取締役・遠山銀五郎と妖術使い」の大伝奇小説
千葉周作、斎藤弥九郎、桃井春蔵、男谷精一郎、伊庭軍兵衛、浅利又七郎、島田虎之助、高柳又四郎、大石進、樋口十郎左衛門、勝小吉、平手造酒、拳骨和尚、秋山要助……幕末を彩る剣客剣鬼。武蔵野に蟠踞する国定忠治、大前田栄五郎、笹川繁造、清水次郎長……任侠侠客。この群像をいり乱れ、ないまぜて操る怪童南無扇子丸! 対するは遠山金四郎の子息、銀五郎、鳥井燿蔵の娘お燿!! 解説・菊地秀行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
13
Amazonの古書コーナーに登場したので即買い。出る時はどっと出るらしく、ここら辺の事情は謎。それほど需要がある訳でも無かろうに。内容は大傑作「魔界転生」の焼き直し、若しくはパロディーです。天保といえば股旅物で、これは興味があるので、ゲラゲラ笑いながら読了。関八州内に忠治の赤城山と水戸藩の攘夷が並行してたのは、覚えておいて良い。魔界転生よりも転生が進歩、安直になっており、その結果、剣豪とヤクザの大顔寄せが実現している。続く2014/10/13
hirayama46
4
うーんこれは……。破綻を避けるためにしたことかもですが、この展開だったりいっそ破綻させてほしかった……。不完全燃焼感の強い物語でした。連載している最中に誤算を発見してしまってどうにかまとめたのかな……と勝手な想像をしてしまいます。2020/04/22
浅木原
4
冒頭の八州廻り選抜剣客八番勝負はたいへん面白くて、そのあとの八州廻り編も上々ではあるんだけど「この展開で上下巻で終わるん?」と思ってたら案の定広げた風呂敷を畳みきれなくなってどんどん尻すぼみに……。『魔界転生』セルフパロディというか『人格転移の剣豪』というか、『魔界転生』と違って完全に同時代の有名人を揃えてしっちゃかめっちゃかやろうとしたんだけど、収拾が付かなくなって史実ブレーキがかかり消化不良に終わってしまう山風作品のジレンマは『伊賀忍法帖』とか『忍法剣士伝』あたりと一緒ですね。2017/01/25
はいから博士
2
山田風太郎得意の複数対戦の変形です。ただあまりにも前半に大風呂敷を広げすぎたため、後半に伏線の回収がうまくいっていません。クライマックスが唐突すぎるのもかなりマイナスですね。週刊誌の連載という形がこんな結末になってしまった原因ではないでしょうか。山田作品の中ではワーストに近いと思います。似たようなプロットの魔界転生が大傑作なだけに残念です。2010/09/20
ベック
1
風太郎作品の中では下のランクです。