内容説明
名実ともに日本のミステリーの基礎を築いた巨人、江戸川乱歩のあらゆる短編を完全収録する全3冊。エンターテイメントとしては異例の、数10年という長きにわたって読み継がれてきた名作が一気に愉しめる。各巻に著者自身による作品解説つき。本巻は初期代表作の1つ『芋虫』ほか、『赤い部屋』『人間椅子』など、怪奇・幻想小説の系統に属するすべての作品を収めた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
14
外務省書記官を夫にもち、作家として有名になっていた女性。ある日、彼女の元に届いた原稿用紙。そこには、ある椅子職人の告白が書かれていて・・・(「人間椅子」)怪奇・幻想小説の系統に属する江戸川乱歩の短篇を二十二編収録した1冊。2016/12/11
Sachi
6
怪奇・幻想小説ばかりを集めた短編集。芋虫のグロテスクな描写は本当スゴイ。白昼夢もゾゾ毛たつし、最後の虫の狂気は尋常じゃない。でも愛情が憎悪に変わる時というのは、笑われた事というたったそれだけが引き金になるというのはありそうだ。「押絵と旅する男」や「木馬は廻る」は素敵だと思った。「悪霊」と「空気男」の2作のみ中絶作品。2015/04/14
ばろやん
2
狂おしい愛に満ちている。2016/04/17
eazy
2
未完の「悪霊」がひどくおもしろかった。 有名どころのデキの見事さは言うまでもないが、不思議と思春期に読んだ印象と変わらない。 永井豪と同じく、乱歩は僕のエロス的なものの原体験であるということだろう。 擁するにトラウマっつーこと。2000/06/30
王天上
1
やはりアンソロジーなどによく選ばれる作品が群を抜いて面白かったなあ。2012/07/15