内容説明
日本のミステリーの基礎を築いた巨人、江戸川乱歩のすべての短編を網羅する全3冊。エンターテイメントとしては異例の、数10年という長きにわたって読み継がれてきた名作が一気に愉しめる。各巻に著者自身による作品解説つき。本巻は処女作『二銭銅貨』や明智小五郎の初登場作品『D坂の殺人事件』など、謎解き・本格もののなかから100枚以内のものを中心に収録した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
14
雑誌記者を名乗り、会社に潜入。ちょっとした隙をつき、社員の給料として 用意された五万円(今の二千万円ほど)を盗んだ泥棒。その後、泥棒は逮捕されたが、金のありかを一切口にしなかった。貧窮にあえぐ私と松村武だったが、ある日、松村が、泥棒が隠したという金を見つけたと言い出して・・・(「二銭銅貨」)江戸川乱歩の謎解き短篇のうち 100枚以内の作品(120枚の「石榴」も)を22編収録した1冊。2016/12/11
n.urabe
11
【図書館本】江戸川乱歩、初読み(*´∀`*) トリックや推理については、やっぱり古いんだからか、おおっ!という感じは無かったけど、当時読んだ人はビックリしただろうなー☆図書館本で、急ぎ読みだったため、my江戸川乱歩短編小説を手元に置いてジックリ読みたい★>d(,,・ε´-,,)⌒☆ 個人的には「心理試験」面白かった。丹念に計画をたてて、植木鉢に半分残すところ、アッパレな発想。2012/12/31
ひかる002
3
小生、古典コンプレックスというものを持っていまして。「小学生の頃乱歩ばっかり読んでいた」とか、「このトリックってカーのアレンジだよね」とか超言ってみたい!通ぶりたい、ってのがホンネかもしれませんが。 そんなこんなで恥ずかしながら江戸川乱歩初読。面白かった!確かにトリックは新鮮味がないのは当然だけど(「火縄銃」とかヒドイ)、その分人間の心情や台詞が圧倒的に面白い!海外ミステリのネタバレとかしてるのには驚いたけどwかなりメタな台詞とかもあり、色々な事が定型化されていない時代だったんだなぁ感慨深い。2012/07/30
ばろやん
2
失恋妄想パターンというのもあるなと発見した。2016/05/04
AR読書記録
2
江戸川乱歩,実は小学生の頃に少年探偵団シリーズで読んで以来.ようやく,日本の推理小説界の偉大なる先達の作品と,しっかり向き合ってみました.短編ばかりだけど,通りいっぺんには終わらない,もう一ひねりを加えて“謎解きの醍醐味”さらにアップ,という枠品が多いです.そんななかでもわたしは,いったい真相はどっち...?みたいな終わりをする作品が好きでしたねぇ.犯罪者の心理のみならず,読者の心理も把握して,上手に手玉にとるような腕にほれます.いやでもほんと,全然古くはないなー.2011/07/26