内容説明
ロンドンのビッグベンを象った大時計の完成式典で、からくり人形の代わりに男の死体が飛び出した。乗り出した作家探偵霞田志郎を嘲笑うかのように、奇怪な殺人が連続する。やがて背後に横たわる巨大な悪意に気づいた霞田が取った意表を突く行動とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
23
霞田兄妹シリーズ。天才時計作家・弥武大人が自身の作品である巨大な倫敦時計のからくり人形の代わりに、刺殺死体となって現れた!その後、現場に居合わせた人間のうち、彼の作品を所有している者の近親者が続いて殺害される。警察と被害者宅に届く予告状。状況的に最も疑わしい大人の弟・敦。意味のない密室トリック。一連の犯行が意味するものは何か?いつもながら、ライトな読み口なのにしっかり本格ロジック。事件の真相はまた志郎の心を暗くさせてしまうけど、霞田家にヨークシャーテリアのダミアンが仲間入りするという明るい出来事もアリ。2020/10/23
茶々太郎
2
シリーズ2作目。正しい推理小説とはこうあるべき、と言わんばかりに金田一耕助シリーズのような展開が続く。何度も言うが、もう少し評価されないかなぁ。2013/11/05
ちばっち
2
霞田兄弟の仲良さが羨ましい。三条さんも磯田さんも欠かせない素敵なキャラです。でも誰になりたいかと言うと亜由美くらいの立ち位置希望(笑)人間の醜さ・悪意など満載ですが倫子さんや広美さんなど素敵な人達に救われます。山部さんの懐中時計はちょっと欲しいなぁ。殺されるのは嫌だけど(笑)2012/05/11
Kid A
1
初の霞田シリーズ。軽妙な筆致でスラスラ読めてストレスフリー。序盤の展開では機械トリックの一発ネタものかと思っていたけれど、ロジックに支えられたしっかりとした謎解きや巧みな伏線の張り方など技巧的な作風で面白かった。出版から20年程経っているようだけれど、古典的な推理小説の雰囲気もありながらライトな読み心地というのは現在でも受けそうな気が。 とにかく他の霞田シリーズも読んでみようと思わせてくれる、個人的には好みの作品でした。2015/02/24
lucyandrew
1
こんな時計があったら見てみたいよ。だけど絶対に欲しくない。2009/10/31