内容説明
「ウィーンの銘菓とモーツァルトの夕べ」の最中、ピアニスト・杏が殺された。傍には『美しき青きドナウ』を奏でる骨董オルゴールが…。この状況の意味するものは?犯人の真の目的は?作家探偵霞田が奔走する中、杏愛用のオルゴールが二台、紛失していたことが判明、さらに新たな殺人が!オルゴールは何を語る?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
16
霞田兄妹シリーズ。序盤、千鶴と三条のラブコメっぽい流れからの事件発生。ホテルの密室でピアニスト・倉坂杏が殺される。いかにも含みのありそうな倉坂一族の過去から現在に至るまでの流れ。そこに着地点を設定してもストーリーは成り立ちそうやけど!?志郎アニキが最後に真実をブッ刺してくれるんだわー。ウイーン菓子とオルゴール。このストーリー上の小道具の1部であるはずが、真犯人が判ってから考えてみると「何と大胆な〜!」て思てしまう。こんなに大胆なのに、読んでる最中には全然ネタバレ感がないっていうのがスゴい!2018/11/08
mizuha
11
シリーズ4作目という事だが、友人が貸してくれたのでいきなりここから読むも支障は無い。タイトル通り、犯行現場に残されたオルゴールの謎を解き明かす事で、真相に迫っていくミステリー。重めの内容を軽く読ませるのは著者の得意技で、本書も然り。オルゴールと美味しそうなお菓子の蘊蓄が満載で、そちらにも気を引かれてしまう。ディスクタイプのオルゴールの音色、本当に良いんだよね。「レストア」は、この知識から繋がっているのかな。2014/11/09
コス
10
霞田シリーズ第4弾。ここまで来ると毎回の流れが決まってくる気がします。前回を人種等の重いネタで来たからか、今回は割とコテコテのミステリーで攻めています。密室トリックがイマイチだったのが残念です。2013/11/12
ちばっち
3
まず最初の感想が前回読んだ時と同じで我ながら笑ってしまいました(笑)今回は割とサラッとしてるなと思ったら最後の最後におぞましいどんでん返しがあり、インパクト抜群なのに覚えていなかった事にビックリしました。このシリーズは人間のドロドロした部分が毎回出て来て志郎さんと同様にずーんとなってしまいますが霞田兄弟のやりとりに救われてます。2019/12/01
ちばっち
2
プロローグが全てと言えば全て。理性とか良心ってなんだろう?と思ってしまいます。ウィーンに行って本物(と言うと語弊がありますが…)のオルゴールを聴きながらザッハトルテを食べてみたいです。ちなみにウインナコーヒーと言うのはウィーンにはありません。でもあまりにも日本人が頼むのでオーダーされたらそういうのを出せと最近では普通になっている、と10年くらい前にガイドさんが言っていました(笑)今回は志郎さんがどん底まで落ち込まなかったのが救いでした。2013/02/15