内容説明
剣名上がり、新流派を興した小次郎は、曲折の末に結ばれた恋人と平穏な日々を送っていた。そんなとき、剣による自己完成をめざすもう一人の天才が登場する。宮本武蔵だ。かくて、浜ぐるま咲く孤島・船島の浜で、小次郎は宿命のライバルとの対決の瞬間を待つ……。既成の権威に抗し、二十四年の人生を不羈奔放に駆け抜けた若者の運命を描き、戦後時代小説復活の輝かしい烽火(のろし)となった画期的名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
1
少しずつ当初の自信を取り戻しつつ、まだ女に期待させるようなことをする小次郎が前半になる。その後は道場開いて著しく自信を取り戻し、風格が現れるようになってやっと格好いい小次郎が見れたという印象。とねと添い遂げ幸せになった状況で迎える武蔵戦。戦士として作戦をもって勝つというのは間違いではないが、剣士としては卑怯千万で、どう評価していいかわからないなと改めて思った。それに比べて小細工なしの小次郎は格好いい。次は武蔵ものに行くか2012/12/22
oooともろー
0
高校生の時に読んだが、また読みたくなったので。爽やか小次郎がかっこいい!2016/05/31
くろは
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下巻も上巻同様映像が浮かぶ素晴らしい時代物。佐々木小次郎は宮本武蔵の小説・映画等の対手として描かれるが、この小説には宮本武蔵は余り絡んでこない。登場人物に揉まれながら悩み助け合いながら自分を高める爽やかな剣豪・佐々木小次郎が語られていた。そこには驕りや小賢しい駆引きも一切存在しない正々堂々とした生き方があった。感動しました。2012/02/18