文庫コレクション 大衆文学館 佐々木小次郎（上）

著者名：村上元三【著】

講談社（2014/08発売）

• ISBN：9784062620178

内容説明

自分の力を試したい。家柄が物をいわず、己れ一人の実力が頼れる世界に出たい――小太刀の名人に養育された孤児佐々木小次郎は、一剣に野望を賭け、恋人を捨て、故郷を捨てた。やがて、出雲のお国の舞い姿に啓示を得た無心の剣は、一閃、熊野に乱舞する飛燕二羽を斬り落とす。これぞ、秘剣つばめ返し！　恨みの白刃、恋のしがらみを振り払い、己れの恣意に生きる美貌の天才剣士の華やかな躍動感！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[旗本多忙]

越前浄教寺村で、今は亡き戸田勢源に拾われ中条流小太刀を学んだ小次郎は、出自もわからぬまま佐々木姓を与えられた。村一番に強い剣の使い手になっていて、己の力を試すべく仕官を求めて浄教寺村を出奔した。出奔理由は他にもあったが、元服前の前髪のまま故郷を立つ小次郎の前途は多難であった。追われ、そして怪我、海賊との交流、燕返しのヒントを得るも剣の修行とはおよそかけ離れたものだった。人間修行を促された小次郎の今後はどうなるのだろうか。少し女に入れあげるのは感心しないが、取り敢えず2巻に続く。

2022/10/20

[BIN]

眉目秀麗な佐々木小次郎。最初は色男な天才剣士で格好いい小次郎が見れるのかと期待していたら、女に対して我を通しすぎて周りを不幸のどん底に落としまくっている感じがしていいところがなく、正直読むのが辛い。下巻での挽回を望む。

2012/12/18

[くろは]

時代物にありがちな難解さが無く映画を観ているように美しい情景が目に浮かぶ。常に読み手に解りやすく夢中にさせようとする著者の努力に敬意を評したい。燕返しとひきかえに大事な恋人を失った所が山場だったが下巻ではどの様な結末を魅せてくれるのか楽しみ。既に絶版となっているが超大作である。

2012/02/15