内容説明
明治7年、時は文明開化真っ盛り。元八丁堀与力・原胤昭は、恩師有明捨兵衛が悲痛の死を遂げたことから長年勤めた石川大牢獄島を飛び出した。そして、有明の残した姉妹のもとに身を寄せる。この清麗可憐な姉妹に導かれ、粋な町奴は十手を片手に出獄人保護という徳行に乗り出した。だが、官服纏う物怪や凶悪無残な悪党どもが行く手を阻む。嗚呼、正義は地に堕ちたのか? 不思議な縁によって数奇な運命を全うした明治の傑人を描く、大伝奇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayah Book
6
山風先生の明治もの。釈放された囚人を更生させようとする元看守と、キリスト教信者の美人姉妹。しかし、理不尽な不幸に遭ってきた囚人たちとは、中々互いに信頼し合うことができず。。。特にアラダルの過去は衝撃的。コミカルな要素もあって、とても読みやすかった。下巻へ続く。2018/10/09
はまちゃん
4
山田風太郎氏の時代小説。囚人島の看守だった男 原胤昭がある事件をきっかけに看守を辞めて、美人姉妹と共に出獄人を保護する事業を始める。この場所に集まる風変わりな出獄人と原や彼らをよく思わない警察や看守とのゴタゴタが描かれている。伝奇小説と書かれていたので、もっと怪奇な話かと思ったら、今のところ真っ当な(?)時代小説。胤昭とお夕の仲がどうなるのかも楽しみだ。下巻に突入。2024/11/09
tekka
3
自分及び世間のイメージする山田風太郎の作風(外連味、猥雑さ)の範疇には収まってはいるが、下巻に向けての不穏さが見え隠れしていてワクワクさせられる。2025/07/23
辺野錠
2
いつもの明治小説のように史実の人物が物語りに絡んでくるのが楽しい。囚人を更正しようとするも本人は何気ないと思った些細なやり取りで破綻するという展開が悲しかった。2013/01/30
たわしテレビ
0
はじめての山田風太郎。時代小説はあまり読まないがサクサク読める。 この時代の「気に入らねえから殺っちまおう」がまかり通る人種に強烈な嫌悪感。 これが下巻でどう晴らしてくれるか期待している。 正義感あふれる主人公。誰もが息を飲む美人姉妹。華のある登場人物はいるのだが、アロマ半身浴をしながら読んでいるときに強烈な悪臭のするシーンもあり、これにはホント「台無しだよ!」と叫ばずにはいられませんでした。 しかし顔が美しいと用心棒気取りの男たちがちょろちょろ集まってくるんだなぁーと。昔も今もね。2013/11/19
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