内容説明
日本では卑弥呼が邪馬台国を統治する頃、中国は後漢も霊帝の代、政治の腐爛は黄巾賊を各地にはびこらせ、民衆は喘ぎ苦しむ。このとき、楼桑村の一青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園に義盟を結び、害賊を討ち、世を救わんことを誓う。――以来百年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマ。その華麗な調べと哀婉の情は、吉川文学随一と定評のあるところである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
161
華流ドラマで刺激を受けて、再読。 桃園の誓いから 始まる物語だが、ドラマの影響からか、後漢 霊帝亡き後の 袁紹・董卓・曹操 あたりの記述の方が むしろ 興味深い。 反董卓で 結集する袁紹・曹操・孫堅 …後の英雄たちの 若き日々が ワクワクさせる 、雄大な物語の始まりだった。2020/01/25
茜
146
昔から中国三大奇書の一つのうちに三国志という物語があるのは知っていた。私が読んだ事のあるのは「水滸伝」だけ。なので何も予備知識がなく読み始めたが面白い。1巻は劉備、関羽、張飛の桃園の誓いから遷都までのストーリー。董卓が強引に帝を代えてしまうのには憤慨した。8巻まであるのでこれから何がどうなっていくのかが楽しみです。2021/04/08
chiru
142
時代を超えても色褪せない魅力を持つ『三国志』は、魏・呉・蜀の三国が争った時代に精錬を尽くした男たちの物語。わたしはプレステの『三国志』しか知らず、中国の史実ゼロベースで読みました。三国志の原点であり原石である三人。人々を魅了する謙虚な主人公『劉備』 一人で一万人に匹敵すると言われた最強武将『張飛』 張飛と並びフルスペックな武力を備えた『関羽』。 義兄弟の契りを結んだ三人のデビュー戦となる虎牢関の戦いは、連合軍VS猛将呂布。英雄たちの手に汗握る戦いから目が離せず、夢中になって読みました。二巻も楽しみ! ★52020/06/01
ちくわ
106
1年前に全巻再読したが感想を。三国志との出遭いは光栄のゲームだ。それにハマって以来、吉川英治を読み、横山光輝を集め、kindleで吉川合本版を購入し、暇潰しによく読んでいた。武人や軍師達の奮闘に心躍らせてきたが、こう読書量が増えると文学としては薄く感じる…ドラゴンボールや北斗の拳に近いような。少し寂しかったが、妙な嬉しさも覚えた。歳相応の変化なのかな。 私見だが、ゲームの影響大&歴史マニアな自分は、陳倉の戦いで寡兵ながら諸葛孔明を一敗地に塗れさせた 忠胆鉄心の良将 郝昭 が好きである。まぁ無名だと思うが。2023/08/08
優希
84
面白かったです。圧倒されました。後漢の時代を彩る物語。若き青年・劉備の志と、それに同調した関羽と張飛が結ぶ義兄弟の契り。世を変えるべく翻弄しようとする青年たちの害賊を討とうとする行動は、その後の壮大な世界を語り始めているようでした。戦いの場面には物足りなさを感じるものの、今後展開していくであろう事柄を考えると妥当なのかと思います。2018/12/18